感想 しよたこん 『RE:魔法少女』1巻

Re:魔法少女 (1) (電撃コミックスNEXT)

Re:魔法少女 (1) (電撃コミックスNEXT)

 大体の内容「出戻り魔法少女!」。ちょっと尖り気味で、しかし妹溺愛するの栗野リンさんは、実は7年前に世を賑わせた魔法少女クラン・ランジュその人だったのです! そのリンさんが、再び魔法少女をやる事になってのどたばたが、この漫画『RE:魔法少女』なのです。
 魔法少女物には色んな限界点がありますが、この漫画は主に年齢の限界点を高校生であるという点で、残酷の限界点を鯨と呼ばれる害敵を残酷に倒す、というので程よく攻めるという代物となっております。際にまで攻め切れている訳ではなく、あくまで程よくですがしかし、それらは昔リンさんが魔法少女を出来ていた、という事実によって色味良く仕上げてられています。年齢の面は成長と言う部分によって昔の衣装がエロ衣装として立ち上がり、残酷の面は昔はそんなの感じなかったのに、というので歳をとる事で見えてくるものがあったと提示されます。この辺は今までの魔法少女物が再びかー!する事があんまり無かったがゆえに衆目を引ける部分であると思えます。その手管、イエスだね!
 しかし、七年の歳月はリンさんには過酷でありました。平凡に過ごしてはいたけど、逸脱した事があるがゆえにひねくれてしまったのであります。ついでに、その間に得た妹に対しては大変甘い姉にもなってしまったのであります。この部分も今までの魔法少女物では数は少ない時間経過を上手く活用した形であります。ってもまあ、ロリコンな人がはぁはぁしてるのを傍目で見ればひねくれもするわな。でも、心根は優しいのは変わっていないし、自分がしたからこそ実は魔法少女の役として狙われていた妹にはそういうのしてもらいたくない、と思っているのとかも提示されて、うん、これこれ! って感じました。時間が進んだなりの展開っていいですヨネ。変わったとこと変わってないとことがしっかり出ていて、成程賞取るだけはあるなあ、とも。
 さておき。
 しかし、昔の衣装がそのままだとエロ衣装になる、というのは慧眼であります。合法的にエロ衣装にするという悪魔的奸智と言えましょう。エロ衣装は基本ですが、その基本をちゃんと理屈付けしつつ、ちゃんとストーリーラインにも意味合いを持たせるんだから、やり手と言えましょう。基本的にギャグノリの漫画なので、エロスはギャグ的な部分の補強にもなっているのもお美事。やっぱり無理やりエロ衣装ってのはいいもんだなー。リンさんが嫌がっているのも加味出来るし。美味い美味い。今後どうなるかがいまいち分からないというか、1巻で既に迷走しそうになってる感もあるけど、それになったらそれはそれで楽しめそうだ。
 とかなんとか。