『まんがタイムきららミラク』2014年月3号 感想

今号の巻頭漫画感想

タチ『桜Trick

 今回は前副会長理奈さんが優さんにお付き合いの手ほどきを、という事でやってきますが、その人を押し入れに隠しておいて、会う予定だった春香さんといちゃいちゃしだす優さんの大人物っぷりは凄いですね! 対する理奈さんもガーリックが切れると眠くなるという体大丈夫なのそれで!? というスキルを発動してちゅっちゅの世界をスルーされておりました。引き分け!
 理奈さんはこの漫画においては遅めというか、三年としての登場は相当後で今後ほぼ話にかかわらないだろうな、と思っていたらの今回なので、そういう意味では大変驚きました。そして開陳されたその変態性というか変態性(つまり変態性)が大変な物で更に驚きました。情報を聞いて調べたら、確かに以前にその癖、くんくん癖があるのは記されているのは見つけましたが、それは漫画外なので誰も覚えてねーよ、そんな微妙な伏線。という言葉が知らず知らずの内にするっと出てしまいます。そこを拾ってきたのが今回な訳ですが、美月会長もこの人と同居してて大丈夫なのか……。ガーリック物作りまくりで飽きたって寝言しちゃうくらいなので、たぶん食事面は不満ありそうですが、雰囲気はいいらしいので大丈夫なんでしょう。あっさり義妹とか言い出す辺りこっちも大人物だよなあ……。

個別チェック三連撃

CUTEG『スイートマジックシンドローム

 この漫画の良さというのは、適度且つ適切な可愛らしさですが、どこかへ行こうという回というのは、その場所でキャラがどのように動くかがしっかり出て、且つそれが登場キャラごとにバランス良く配分されるので、特に良さが炸裂します。今回ではクレーム姉さんがキャラ物にハァハァしててエロかったり、キャラメルさんがメリーゴーランドで子供一人乗せたら他の子が私も私もして困惑したり、プリンは毎度の如くの甘いもの混入したりと、良い感じにキャラの良さが出ていました。うん、これこれ! 個人的にはやはりこの漫画ではキャラメルさんが好きなので、絶叫系乗れないとか、ちょっと子供用の遊具でも結構限界とか、堪えられませんでしたよ。ひゃっひょー!
 しかし、この漫画はこのノリのままであって欲しいとは思うんですが、プリンが元の世界に戻れるようにするという話は本当にどっかいったなー、とか。今の状態が自然過ぎて良く忘れますが、そういう話ありましたよね? 帰れないと困るんじゃなかったのか? ってくらい甘子のいるとこでの生活が板に付いちゃってまあ。でも、いつかは、解決しちゃうんだよなあ。

ぼるぴっか『青春過剰Sisters』

 ウザ姉こと萩姉が桔梗さんのいる学校に赴任! そして巻き起こる萩姉旋風! というか若干以上に職権乱用です。それでも、全然問題ありませんな状態がどんどん進行していき、桔梗は川崎さんと隣の席に。という事で今後どうなるやらな形に。
 萩姉は結構ガチで百合の人というかそういう思考なのは知ってましたが、どうやら昔からそういう感じで手駒というか手下というかを増やす手管はやってたみたいで、養護医と既に昵懇だったり。しかも相手の反応からウザ姉な部分も昔からなようで、それなら尚更強力な手管を持ってるのか、と思ってたら、今回は女生徒にほほちゅーで無力化したりしてました。これが今話題のクレイジーサイコレズ! というのとはちょっと違うようで案外その通りなのかもしれないと思いました。桔梗さんの道行が怪しくなってるなあ……。桔梗さんは特にレズというか百合ってわけでもないんだろうけど、このまま染まっちゃうのかしら……。

あfろ『シロクマと不明局』

 今回も手紙配達。山登りの人達の中に渡す人が→このまま登ってしまうと追いかけて登らないといけない→ゆうびんでぇすぅううう!! の流れで不覚にも爆笑しました。必死さが伝わって来過ぎて笑えましたよ。結局登る羽目になったのも不憫で笑えました。
 しかし、今回はこの漫画の謎である生まれ変わりの端緒みたいなのがあったりして油断出来ません。単に消えたのか、本当に生まれ変わる事が出来たからなのか、というのは分かりませんが、あれが単に消えたというのはちょっと簡単過ぎる。でも生まれ変わるというのにしても、その人の発言が色々と謎を孕んでいる。これはいったいどういう事なのだろうか。ちょっとその辺が開陳される日を待ちわびる気持ちが湧きあがりました。

今号の巻末漫画感想

よしだひでゆき『シロクロコミュニティ』

 今回は眼鏡っこ(重要)未与さん視点でこの漫画がどうしていくのか、というのが仄見える形となりました。普通、はこの漫画の重要なタームですが、それは人に寄るというのは未与さんは理解している感じでありつつ、でももっと違う普通が見たいという欲求も持ちつつ、であり、その過程で見える他のキャラの内実が面白く読めました。連載ではなくゲストでここまで続けられてるのは実はこの漫画がミラクでは初めて、連載化するのは結構速攻で連載化する、でありまして、今のゲスト攻勢の中から一歩抜け出す可能性は一番高いんですが、でもなんとなくこのままゲストのまま続いていくような気もしたりします。なんとなく、主役たるユーマ君の普通が、普通というには、だからでしょうか。どっかのそげぶの人みたいな問答無用なとことかないしな、彼。それがいいんだけど、それゆえに存在感薄いんだよなあ。ウーマがいてとんとんだし。

一応の総評

 ゲストの多さが目につく今回ですが、やはりゲストの多さが目につきます(反復)。休載に関しては毎月の作品ならまだいい、完全に良い訳じゃないけど一応矛は収められる、けど、隔月の『リリィ』が無い場合が多いのは大変コメントに困るんでどうにかなりませんかねー! と思います。
 さておき。
 ゲストはどれも個性的でいい味は出ているものの、連載を勝ち取れるか、という観点では厳しい戦いになりそうな作品が多い印象です。特にクマノイ『制服デイズ』は個人的にはビンゴビンゴ来ましたが、その辺は懐かしのname『前から2両目』を彷彿とさせる部分が強いからでありまして、正直あの漫画と同じ一発ネタ感が強く、連載は難しいだろうなあ、とも思えてしまいました。切ない。そういう、ある意味変態枠はあると漫画誌の幅が広がって味わい深いのですけれどもねえ。
 そんな中にあって、四六屋『コナツトコナツ』は結構いけるのでは、という個人的大ヒット。JKがアパートに来て、そこの人達と、というのがかなりの安定性と拡張性を持って繰り広げられます。全体的に小当たりとも言えますが、それがきっちり積みあがって完成度に繋がっていると感じました。きらら本誌のオゲ『女子大生生活様式』と同じタイプの幽波紋ですね。アパート物としては設定はよくある形に見えるので、そこが今後出たらどうなるか、という感じでしょうか。ボケの感じ、笑いの部分の作りは好みなんで、余計にそう思ったりも。
 さておき。
 ゲスト多過ぎに隠れて忘れがちですが、今回からしんと『ゆずりはコーポレーション』が連載化しております。なんちゃって起業化と思ったら結構ガチにそっちの方向に進んでいくこの漫画のガチっぷりには結構「してやられたわ…!」ってワーレン面になりましたよ。ちゃんとライバルキャラも登場するし、本当にガチに進んでいくつもりがあるんだろうなあ、という印象。変な着地しないで、きっちり描きあげられたら相当の作品になりえるな、と思ったりも。こういう新連載が出ると、またミラクの味わいは変わっていくんだなあ。初期の味を忘れられないけど、でも今のこの味も嫌いじゃない。
 とかなんとか。

今回の掲載順変動

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