感想 ハトポポコ 『ビオトープ』

ビオトープ (電撃コミックスEX)

ビオトープ (電撃コミックスEX)

 大体の内容「天使来たりて、……あれ、何もしてねえ?」。地上が地上が大ピンチ。地上を地上を守るんだ。と言う事で地上に行く事になった天使アンジェラインことアンジー。しかし、アンジーは地上に降り立って速攻知り合った大学生熊倉さんの家に転がり込み、そのまま……。そんな空から降ってくる人間じゃない女の子なのに最高ではない! 漫画。それが『ビオトープ』なのです。
 ハトポポコ漫画というのは、基本的にコミュニケーションで殴り合う感じな漫画が多いと思います。もちろん、殴り合ってコミュニケーションするんじゃなく、コミュニケーションに用いる言葉という武器で斬り合う感じといいましょうか。でも斬り合うというと洗練されている感じもするので、泥臭く殴り合うという雰囲気、それも格闘技というより単なる喧嘩の物であると言えます。この漫画もその例に漏れる事は無く、会話で殴り合っていたりもしますが、他の漫画よりも違う方向の、絵とタイミングで見せるネタも、熊倉さんの友達の伸長ネタみたいなのも、ふんだんに盛り込まれております。そういう意味では、ハトポポコ味の拡張という側面も強い一冊となっております。こういう味わいも持っているんだな、と蒙が啓かれる感じですらあります。
 キャラクター面というのは分かりやすくわがままでぞんざいなアンジー、純朴そうな面しやがって! なムートン、そして可哀想な熊倉さんと三者が大変分かりやすくなっていますが、そのシンプルさゆえにアンジーの地上知らなさ加減とか、ムートンの偶に見せる黒さと偶に見せる純粋さとか、熊倉さんの地味にちょっと大丈夫か、なとことかがしっかり見える形となっております。ちょっと妙な漫画だけど、偶に妙に可愛い感じを受けたり、妙に楽しかったりするのはその辺がしっかりしているからでしょうか。後、途中参加の悪魔のアミーちゃんがとても可愛いんですよ……。服脱いで、って言われて脱ぎそうになりつつ、あ、こいつら脱いでないじゃん! で気づく辺りが特にアホの子可愛いを地でいくかなりのアホ悪魔ですが、それがいいんだ……(キッド・ホーラ顔で)。その後も微妙にアホであり続けてくれますしね。
 にしても、熊倉さんは大丈夫なのか。アンジーとムートン、そしてアミーちゃんまで小遣いやって家にいさせてる辺りが本当に、この人道踏み外してないか感があります。相手が人間じゃないから、一応いいのかもしれませんが、なんか駄目な男に引っかかってひもにするよりまずい事してる感じを受けるんですよね。最終的に熊倉さんが取ろうとする選択も、お前それでいいのか? なんですが、結局はアンジーと友達となっているから、という風に見れば、その選択もありなのかもなあ、という気もしますけども。他のキャラが服変わらないので、唯一服が変わるという役割をこなしていたのに、それすらなくなったら熊倉さんの存在価値なんて! というのは冗談ですが、でも、どうするんだろうなあ、熊倉さん。マジ一生事どころかの話だしなあ。
 とかなんとか。