感想 杜康潤 『孔明のヨメ。』3巻

孔明のヨメ。 (3) (まんがタイムコミックス)

孔明のヨメ。 (3) (まんがタイムコミックス)

 大体の内容「仲睦まじい新婚生活に、降りかかる暗雲!?」。諸葛孔明さんと月英さんの初々しい結婚生活に対してニヨニヨする、という漫画から、徐々にその宿命に向かって動き始める漫画と変貌を遂げつつある、そんな『孔明のヨメ。』であります。
 今回、徐兄こと徐庶さんの元に行った事で、襄陽に起きているある策動に関わる事に。その策動というのがわりと大ごとであり且つ三国志のメジャーな名前も絡んでくるレベル。それに対して、ほとんどツテのない孔明徐庶、龐統がどういう手に打って出るか、というのが今回の肝ですが、こうやって徐々に三国志の流れに絡んできているのを見ると、この漫画がどういう風になっていくのかなあ、というのを感じずには居られません。この流れはいずれ大きなうねりとなり、孔明さんと月英さんを巻き込んでいくのは、三国志を知っている身からすると避けがたいというか避けられないというか避けてはいけないのは分かるんですが、それでも二人の仲が変になっていったら嫌だなあ、そうなるくらいなら、と思うくらいにはこの漫画の二人の仲というのが体に浸透しています。でも、激動の中での二人の関係、というのも見たいと思えるから、どうしようもない。そこでも、仲睦まじくあって欲しいですが、さて、どうなっていくのやら。
 他にも、三国志スターがどんどんと登場してきておるのも、うねりを感じる所。先の策動の中心人物もそうですし、三国の雄となるあの人もじりっと登場。ついでに五虎将軍のあの人も。と、この漫画が三国志の漫画なのを感じさせるものがあります。たまに孔明さんが諸葛亮孔明であるという事実を忘れるくらい、まだ全然無名ですから。今回の巻では、襄陽の経済的な守りに対しての案とかだして、その片鱗をしっかり見せてくれましたが、でも一気に国を守る、とはいかないからなあ。ああ、国が間接的に攻められてる、というのに相手の国の事まで考えちゃうお人よしなのは大変宜しかったです。そこもまた新たな一面というか、創作なのか資料から読み取れたのかですが、とにかくこういう像もいいなあ、とか思えました。
 さておき。
 今回はそういう訳なので、孔明さんと月英さんのイチャコラは少なめ。とはいえ、ポイントポイントでは好きあってるなあ、というのを感じられる場面もあります。寝ている孔明さんの近くでニヨニヨ出来る言葉を出す月英さんとか、それを実は起きてて聞いてて恥ずかしがってる孔明さんとか。龐統さんが如何に孔明さんが月英さんを好いているか気付いた顔とか。黄パパに協力を求めていった場面で月英さんの安全の為にと言った言葉に対して、あなたと一緒にいます! っていう月英さんとか。いいなあ、この夫婦。どんどんと好きあっているなあ。今回の巻では大きなうねりの一端になりかけてたけど、次の巻ではちょっと凪になりそうだし、反動のようにニヨニヨ出来たらいいなあ。
 とかなんとか。