感想 平つくね 『ラッキー・ブレイク』3巻

ラッキー・ブレイク (3) (まんがタイムKRコミックス)

　大体の内容「陸さんの人生ワンチャンあるで！」。きららのお仕事系漫画というジャンルにあったこの作品も、この巻で最終巻となりました。藤沢産業の顛末とは、ちゃこさんの動向とは、そして陸さんの向かっていく未来とは。そんな色々があったのが、『ラッキー・ブレイク』3巻なのです。
　お仕事系漫画というのは色々とあるものですが、きらら系、萌え系4コマでは珍しいスタイルでありまして、そういう意味でも、また絵柄の美麗さの面でもちょっと他とは違う感じを出していた『ラッキー・ブレイク』ですが、そこよりも個人的には独特のテンポというか、リズムが他の漫画とは違うなあ、という印象を持っていました。ストレートにボケな漫画でもなく、だからってリアリティという面が強い訳でもなく、いうなれば便利な言葉＜リアルリアリティ＞を出したくなるくらい、ちょっと他の漫画よりボケとか笑いのリズムが違ったように思います。そこがまた、物珍しくて味わい深い所ではありまして、ゆえにこの漫画のオンリーワンである部分であったなあ、とも考える訳です。それは最終的な場面まで十全に満ち足りていておりました。
　しかし、最後の方のこの漫画に乗りきれない部分がありまして、それはこの漫画の連載終盤が休載が連打していた事実があるからです。なので、ちゃこさんに会ったのにかなり合間が空いてたので、読んでてテンションがだだ下がってたおりました。今回まとめて見れたらなんとかテンションが回復しましたけども、連載時は本当にほとほと困り果ててでした。なので、テンション低めで見てましたが、ちゃこさんと陸さんが再会した後とかもうちょい見たかったですね……。とか、デイさんと陸さんがちょっと仲良くなるとか、陸さんの成長とか、思う所が色々あって、やっぱり好きな漫画だったんだなあ、という言葉が自然と出ます。好きだった、けど、今はどうだかなあ。連載時にテンション下がっちゃったからなあ。でも、なんとなくこの3巻で盛り上がったので、好きな漫画であるなあ。陸さんの成長物語としてはきっちり済んでるし。そこは良かった事であります。
　そういう個人的な事はさておき。
　この漫画の肝はやはりデイさんです。この巻では陸さんとコンビで色々やってるので自然と印象が強いですが、中でもやはりデイさんが陸さんに自分の心情を吐露するとこが良かったです。今までいまいち何考えてるんだか、だったデイさんがそういうのを言ったのは大変良い場面でした。ちゃこさんと陸さんの間に対してそういうの考えてたんだなあ……。その後なので陸さんとの行動が更にいい物でありました。意思疎通してる、というよりはお互いにちゃんと相対出来てる感じというか。デイさんも変に扱わなくなってましたしね。こういう細かい心情とかも、出来た漫画だったんだなあ。とかなんとか。