感想 小箱とたん 『スケッチブック』10巻

 大体の内容「ここに爆誕、終わるやいなや帰宅ーズ!」。などと唐突に霧島さんがぶちあげたと思ったけど特にそれでこの漫画に変化があるかと言うとある訳ねーだろ! クソして寝ろ! な『スケッチブック』10巻なのです。
 連載年の節目である10年は9巻(感想)で済ませておりながらの、今度は巻数の節目の10巻となった訳ですが、9巻の段階でも特にイベントな事はほとんどなかったので、巻数の方でのこれ、というのは限定版のアニバーサリーブックだけで、内容ではいつもの『スケッチブック』が繰り広げられます、と思っているのか?(ブロリーっ面で)
 今回の巻は今までの巻と趣きを異にしているアトモスフィアがあります。それは、鳥飼さんの小市民ネタからに相違ありません。今までその小市民っぷりにお前は俺かの匂いをかぐわしく漂わせていた鳥飼さんの小市民ネタが、今回は全くなのです! 実際問題として、夏海さんに言われる通り、鳥飼さんの出番が相対的に少なくなっている、というのもこれに起因していると言えましょう。どう考えてもネタ切れだろ、という言葉が、我々の切り札。とは言えますし、自然ネタも多かったのでその分の割を食ったという感もありますが、でもやっぱり鳥飼さんの小市民ネタは、我々の心の潤いでもあったのではないか。そのあるある感、お前は俺か感も、この漫画の特有の味わいだったのではないか。それが無いなんて! という猛りも突如出てくる出来事でありました。
 それと同期するように、今回の巻は言葉ネタが大変多かったです。印象とかちゃちなもんじゃなく、実際に相当数の言葉ネタが今回の巻ではぶっこまれておりました。正確には測ってないですが、たぶん今回の内容の3割は何かしらの言葉ネタのはずです。その中で、個人的には料理のさしすせそのとこのケイトの全部醤油じゃねえか! が最高に好きです。ケイト好きだから余計に好きです。ケイトが何かするならそれら全てが好きです。ケイトの動きのある醤油連呼が大変可愛いですヨネ。もう、ケイト最高。
 話がそれたのでさておき。
 今回は自然ネタはしっかり、というのは先に書いたとおりですが、皆で海の回はそれが横溢しており、栗原さんが縦横無尽八面六臂の活躍でした。動物の名前被りは気にするな、というのは非常に心に沁みます。似た名前はもちろん、なんでそれにそういう名前つけた!? というのがたくさんあり過ぎるのが今回の自然ネタの根本でもありましたし。自然ネタも既に10年選手なのに、まだネタが出てくるって自然は広大だわ。
 さておき。
 限定版付属のアニバーサリーブックについて書いておくと、分かり易いようで難いようでな発言を許されるなら、『大阪万博』の『スケッチブック』版、といえばいいでしょうか。量的にはおまけというレベルではありますが、『スケッチブック』自体に『あずまんが大王』レベルの色々は無かったので、これはこれで適正なまとまり方であるなあ、とか。巻末の漫画も何がしたいのか分からない感じでそれが逆に好感度を上げるという謎仕様ですし、ファン垂涎、とまではいかないけどあったらちょっと嬉しい物であります。キャラ名鑑は結構嬉しいですよ。難しい感じなキャラ多いから、それの確認に使いやすいです。
 とかなんとかな、『スケッチブック』10巻なのでした。