感想 あfろ 『シロクマと不明局』1巻

 大体の内容「死んだら驚いた」。高校生になった熊本チエコさん。しかしその花の高校生活は長くは続きませんでした。具体的に言うと5コマで終了しました。一話の最初のページの登校シーンが、熊本さんの最後の高校生活となったのです。そんな「普通の女子高生4コマすると思った? 残念! あfろ漫画でした!」というしゃっつら全開でお送りされるのが、『シロクマと不明局』なのです。
 まずはキャラ紹介めいた文章から全体の話を絡めて行ってみましょうか。

 熊本チエコさん。この漫画のメインパーソナリティであり、開幕5コマで死亡して、そしてあの世行きの所が、ジャック=オー=ランタンのせいで<煉獄>にぶっこまれてしまうお人です。この子の視点に立って、この漫画の舞台とは、というのをじっくり、しかしどこかヘンテコにやっていくのがこの漫画です。

 ヒグチさん。その正体というかなんというかは樋口一葉、その人。<煉獄>にはそういう有名人がたくさんいるのが提示されます。聖徳太子からいるので、相当歴史のある場所であるようです。ここでは上手くすれば生き返れる、とジャックはいいますが、それについての情報は謎めいており、こういう話も描けるんだぜ? でもそれメインじゃないけどな! というあfろせんせの顔が見えるようであります。ヒグチさんも、生き返っても今の意識が残らないなら、ここで書いていたい、という事で上記の画像の台詞となります。

 マリーちゃん。可愛い。この姿ででかいバイクを乗り回すという、どこ向けのポイントなんだよ、というのがありますが、それもまたかわわ。あfろ漫画でかわわするとは、という思いにも囚われますが、個人的には前作『月曜日の空飛ぶオレンジ。』(1巻感想2巻感想)のキャラ、ヨシノで萌え萌えしてたのを思い出すと、こういうのもあfろ味であるなあ、という顔になります。ちなみにマリーちゃんの本名はマリー・アントワネットです。何故若いというか子供なのか、については若干の説明はこの巻の後半で為されますが、それでも全然謎のままなので、この漫画野謎めいた所はしっかりしているなあ、と思います。
 キャラ紹介さておき。
 この漫画では熊本さんが<煉獄>で生活していく中で、で、どうするんだろうというのが若干のふわふわポイント、端的に言うとネックです。今の所、<煉獄>での生活と、不明局での郵便配達の仕事が重点で、そこにヘンテコなノリが組み込まれる形です。このままこのままふわふわしていくのか、というには謎の部分の出し方はしっかり。想いを残して<煉獄>から消える人達。想いに囚われ<煉獄>にいる人達。そして本当に生き返るのか。その辺をどうしていくのかなあ、という興味はありますが、でも目の前のヘンテコノリも楽しんでいけばいいのかなあ、とかなんとか。
 個人的にはマリーちゃんの娘であるシャルロット登場回がこの巻の中では一番好きです。先制ジャブが鋭く笑いどころとして立ち上がっており、その後意味不明(後で意味は分かる)の展開でバタバタするのも含めて、こういうのがやっぱりいいなあ。と思わされました。なんか、全体的に信夫より乗り切れてない感があったんですよね、個人的には。その辺が是正されたのが、この回、であります。そういう意味では、ターニングポイントなのかなあ。
 とかなんとか。