感想 うさくん 『にゃん天堂』1巻

 大体の内容「オワコンと言われた時から全てが始まる」。スーパーニャンコンって知ってるかい。昔ゲーム業界で粋に暴れまわってたって言うぜ。今も世の中新新世代機。ボヤボヤしてたらいつの間にかオワコンだ。そんな訳で(?)、既にゲーム機としては使命を終えた感のあるスーニャンで、それでもゲームを作り続ける者達の闘いの記録。それが『にゃん天堂』だと思っているのか?(CV:島田敏
 先にも書いたように、スーニャンは完全に終わったゲーム機です。それなのに、そのゲームを作り続けるというのは如何なる心境による物か。という興味が出てくる所ですが、その実態は社長にすらまともにほうれんそうせず、勝手に仕様を変えてゲームを作っていくという魔境なのでした。そんな魔境の中でオワコンのハードによる作られるゲームのそこはかとなくおかしい感じを見て楽しむ漫画、それが『にゃん天堂』なのです。
 基本的にこの漫画には熱量はあるんだけどどこかずれているし、作ってるハードがオワコンですので、ゲーム会社という言葉には似つかわしくない、ゆるい雰囲気があります。そんな中でバタバタしながら、ゲームが作られ、それを社長がプレイするのがこの漫画の基本でありますが、そのプレイするゲームがそこはかとなくおかしい。ぶち狂っているというレベルではなく、とはいえ普通のゲームでもなく、なのでそこはかとなくおかしい、という言葉を選択する訳です。特に好きなのは脱衣麻雀です。対戦相手が何故か会社の女性陣で、だけでもとんでもなんですが、その内の太ましい方が倒しても倒しても追い付いてくるという脱衣麻雀とは……。というのがいいです。更にそれ対策のアイテムがあるとか、ラスボス専用対策アイテムもあるけど、使い過ぎるとラスボスが子供の病院に行くので帰っちゃうとか、そこはかとないおかしさが爆発しております。その発想は大変素晴らしく、カオスゲー好きにはむしろこのハード大天国なんじゃないか、とすら思えます。実際、オワコンな割には地味にぎりぎり黒字を出している、というのがあって、やっぱり好事家がいるんだろうなあ、とも思わされます。でないと、黒字出せないだろうしなあ。
 にしても、こういう風に終わったコンテンツの、でもまだ細々と、というのは現実ではありえないから余計に、なんというかノスタルジーを感じさせます。現実では終わってしまうものですが、だからこそ虚構の中で生き続けていく、というのは、オワコンの在り方というものを感じさせます。オワコンだからこそ、想像で購うべきなのでしょうか。
 とかなんとかよくわからない〆で。