感想 とく村長 『ラン様の放課後遊戯』2巻

 大体の内容「葉沼ランが、二人……だと……?」。と言う事で謎の葉沼ラン様と同姓同名の葉沼ランちゃん登場で、物語は風雲急を告げる! のが、『ラン様の放課後遊戯』2巻目、それも最終巻の概要なのです。
 もうちょっと内容の話をすると、ラン様の正体が相変わらず良く分からない状態で有太とりらさんは二年生に。ついでに新入生も登場。それが、ラン様こと葉沼ランと同姓同名で雰囲気もどこか似ているけど胸とか全然足りない、葉沼ランちゃん。同姓同名がいるので、今後ラン様とランちゃんで呼称分けしますが、そのランちゃんの事を、ラン様は知っている風。もとより色々と謎めいた言葉を良く言っているラン様ですが、ランちゃんの、特に有太に対して気がある感じな部分に対してちょっかいをかけるのは一体? という謎の部分を含みつつ、ちょっと学生生活を満喫したかと思ったら後半で一気に終幕へと向かっていきます。
 さておき、ネタバレ上等でぶっちゃけますと、ラン様はランちゃんと同姓同名どころか同一人物であります。ラン様がランちゃんだった頃に、この巻の中盤で手に入るアイテムの力で、とても大変な事をしてしまい、それをどうにかする為に、やはりそのアイテムの力でラン様としてこの地に立っている、というのです。そういう視点で見ると、今までのそれっぽい言葉の真意がちゃんと通る訳ですよ。今までの意味ありげな言葉が、全てちゃんとした伏線として立ち上がってくるのです。ワザマエ! とシャウトしたくなる事であります。畳み方は最初からある程度は考えていたのだろうなあ、という事なども考え至ってみたり。2巻の終盤は本当に畳む! って意思に満ちていて、でももうちょっと続けたかったんだろうかなあ、というのも新キャラの登場で垣間見えて、なんというか、難しいなあという気持ちになりました。でも、ちゃんと畳めて終われた事は、なんだかとっても、ありがてぇじゃねえか……。(泣)
 さておき。
 今回はラン様とランちゃんがいるのである意味二倍二倍な訳ですが、ランちゃんが超常現象特に信じてないというので、ラン様の力は明かすのやめとこう、となったのは個人的にどうして……、と思ってしまいました。それで複雑さが増したのはそうなんですが、後半ほとんどそれが機能してなかった、結局ラン様がおおっぴらに力使っちゃってるという状況になってて、そりゃ、皆信じてるよりはそういう縛りはいるだろうけど、無意味になったら意味ないじゃないですか文字通りー! 縛りが難しかったのかなあ、とコナミ感がするっと湧いてくる所です。
 さておき。
 ラン様は色々な姿を披露してくれるのもこの巻の醍醐味。基本の黒制服は完璧な美しさでパーフェクトなんですが、夏の白制服も素晴らしいですし、黒ビキニもグレートでありますし、振り袖姿もグッドです。そしてどれも黒ロンと黒手袋がセット! そこをきっちり理由が与えつつちゃんと描く辺り、その忽せにしない手腕はまさに神所謂ゴッド。ありがとう、本当にありがとう……。2巻では他にも私服姿を二回ほど見せているので、本当にありがたいんですが、出来ればもうちょっと、見ていたかったなあ、と思ったりもします。それだけこの漫画が好きだったんだなあ。という感情を持ちつつ、この項を終えたいと思います。