感想 森繁拓真 『となりの関くん』6巻

 大体の内容「今日も今日とて授業中に遊ぶ関くんなのであった」。
 この漫画の基礎と言うのは大変分かり易く、関くん遊ぶ。横井さんリアクションする。この流れの中に今までの回は全て内包されてきました。しかし、今回横井さんはそこだけではないというのに気付きます。横井さんがする事はリアクションするだけではなかったのです。お気づきの方もおられましょう。そうです。横井さんがすべきは関くんを止める事なのです! というのが久しぶりに励起したりするのが『となりの関くん』6巻なのです。
 それにしても、関くんの遊びの良き理解者だった横井さんですが、それはまず理解して止めようという基本があってこその事でありました。それがいつの間にか、読者的にもいつの間にかそこが忘れられ、関くんの遊びという部分に集中してしまっておりました。実際、この漫画がどこまで出来得るのか、どこまでネタが出るのか、と言う部分に気持ちが集中してしまっていたのも、横井さんがそういうのしなくなったのに気付かなかった要因です。だって、本当に無尽蔵にネタが出てくる漫画なんだもん。ネタが切れるタイミングがいつくるか、いつくるか、ってハラハラするじゃないですが。そこに更にもう一転を加える横井さんの気づき! これは大きなタームやで! と思ったんですが、その横井さんの気づき回であるアナログサッカーゲーム回、74時間目の段階で横井さんが燃え尽きてしまって、一応以後も止めたり妨害はするけど、この回ほどぐっと前に出る感じじゃなくなっているのが残念無念。まあ、そこがなくても十全にこの漫画は面白いので、またネタが厳しくなった頃に新たな道筋としていれる方がいいのかも。あるいはそれが最終回とかでもいいか。ネタ切れ=最終回な側面がある漫画だから、そこでピリッと締めて、ってもなあ。関くんは延々と遊んでて欲しいって所もあるからなあ。なるとしたらどういう最終回になるのか。まだ遊びのネタは切れ味いいので、それが維持されている内にしまいこんでもらいたいものの、でももうちょっと、ギリギリになってヤバレカバレ! になってなんたるウカツ! って言いたいとこもあるしなあ。ファン心理は理不尽であります。
 さておき。
 この巻ではどれも平均点高めで面白いんですが、趣向がいつもと違う回はやはりそれだけで十二分に面白めるというものです。それが妹ちゃん再登場の79時間目。色々あって関くんの学校に来る事になった妹ちゃんが巻き起こすパワフルな展開と、やっぱりまだ子供なんだなあというオチの静と動が見事に対比していい感じの回でありました。関くんと妹ちゃんが合わさると相乗効果でとんでもないパワーになるのが楽しかったです。二人すると盛り上がるってのは、関くんの精神年齢が妹ちゃんと近いのではないかという節もありますが、仲がいいっていう便利な言葉でそこは黙認しましょう。にしても、これは関くんのお母さん大変だろうなあ。というのも湧いてきますが黙認しましょう。
 とかなんとか。