感想 鈴木健也 『おしえて! ギャル子ちゃん』1巻

 大体の内容「おしえて! おしえてよギャル子ちゃん!」。という前のめりに誰かが聞くような漫画ではなく、ギャル子ちゃん達の何気ない生活の一コマからそのお題に見合った内容を抽出して見せる漫画、それが『おしえて! ギャル子ちゃん』なのです。
 おしえて! に答えるように色々が起きるのと、その内容が基本下ネタ方向なのがこの漫画の特徴ですが、それに対して下品さを感じさせないのが、一つ優れていると言える部分です。ギャル子ちゃんが思いっきりのエロボディとチャラさを見せているのに、基本的にとてもいい子なので、浮いてそうで浮いた話が無いのも相まって、下品めいた雰囲気は全くないです。むしろちょっとした事で下に繋がる迂闊な発言して、赤面したり狼狽したりするのが大変可愛いのです。可愛いから許されますし、ド酷い下品さまでは全くいかない*1ので、大変安心して楽しめるのです。その方針、イエスだね!
 さておき。
 この漫画は基本はギャル子ちゃん、オタ子ちゃん、お嬢の三人で回す漫画ですが、ギャル子ちゃんはギャルだけど大変にいい子だとか、オタ子ちゃんは自分の立ち位置をギャル子に下ネタ振るというポジションにおいてみたりしてるけど、やっぱり基本的にはギャル子ちゃんと仲良くしたい子とかあるんですが、やっぱりこの中ではお嬢がヤバい。この漫画、一回に一回、キャラ紹介が端の方にあるんですが、そこ情報でのお嬢のボディ関係がヤバイ。ある意味理想のようなパーフェクトボディに仕上がっていくのです。漫画によってキャラクターの身体の大きさとかは、その作品内では、というのがありますけれども、それを端情報でどんどんパーフェクトにしていく、というのは新しいパターンであるなあ、と。ボディもパーフェクトですが、お嬢度もパーフェクトで、どう考えてもお金持ちなお嬢の家の情報が偶にちらちら出るのを、更に端情報が補完してあ、マジモンなんだ、と思わせるという手管を見せるのです。今後どうなるんだ、お嬢。積み上がり過ぎだろ。
 さておき。
 この巻で重要なのはやはりギャル子、オタ子、お嬢、三人の出会い回である第16回。ギャル子ちゃんが大変いい子であるというのがしっかりとされているのもですが、枠組み一々決めてそこに収まるの窮屈じゃない? という趣旨の台詞が中々よいと。それを聞いて、ちょっと邪険にしてたオタ子が心を改めて友達に、というのがいい、んですが、その後のお嬢の登場がめっさ唐突で、その上であだ名つけて! から一気に友達になったっぽいのがやっぱり途轍もない御仁だな、お嬢。と思わされます。ここでも端情報で積み上げられてましたし。どこまで行くんだよお嬢。もうお嬢しか見えないレベルになるよ……。
 とかなんとか。

*1:この可愛いけど下品は難しい領域ですが、それが道満清明『ぱら☆いぞ』まで行くと逆に清々しくなります。まあ、あれはある意味では奇跡なのですけれども。