感想 せがわまさき 『十 忍法魔界転生』5巻

 大体の内容「これだけやってもまだ承前!」。と言う事で今回の巻でやっとこさ戦う為のお膳立てが整ったのが、『十 忍法魔界転生』なのです。面白んだけど、まだ本格的に剣劇してないですからね! こっからまだ一段上がるってんですか!
 この5巻に渡って行われたお膳立てですが、それでも十分魅せる、読ませる辺りがこの作品の非凡な所。色んな剣豪が出てきて、魔人となっていく様、その過程も興味深かったですし、この巻での十兵衛の仕掛ける対戦のお膳立ても優れているし、本当に読んでて飽きないんですが、でもこの作品の神髄は十兵衛と魔界転生衆との決闘な訳で、そこがまだ出てないのにここまで面白いなら、そこ入ったらどうなるのー!? というドキドキが今から発動しております。これはちょくちょく転生衆の暴れ具合が出てるのも大きいでしょうか。この5巻では天草四郎時貞根来衆を相手に一戦軽く交える辺りとかがそれですね。やっぱりつえー! というのを積み立てる見事なジョブですし、話だけで進みそうな所をきっちりと〆るジョブでもあります。漫画だから魅せれるやり方でもあって、だからせがわせんせはやっぱり出来るなあ、と思うに至ります。これで剣劇が始まったらどうなるか。雑誌連載追ってないので単行本が頼りなんですが、それゆえ十分に焦れる時間があるのもありがたい。会えない時間が絆を深くするのですよ。この漫画へのテンションが、維持されるのです。それだけのポテンシャルのある作品ではないだろうか、とかなんとか。
 それにしても、何故柳生但馬守宗矩はツインテール、ではなく4テールなんだろうか。前の巻においてツインテで噴いたんですが、5巻ではツインテ二つ、4テールであるのが分かって更に噴いてしまいました。原作でもこの髪型なのだろうか、と考えましたがする意味があんまりないので、見栄えの為にせがわせんせが捏造したのではないか、と疑念を持っております。魔人になると皆はっちゃけるとはいえ、髪型ではっちゃけた宗矩……。悔恨はどこへ行ったんだろうか。いや、髪型程度で悔恨がどうこうじゃないのは分かってますよ。でも、その辺が全く見れなくなっているって感じるんですよ。それもまた転生した影響なのかなあ。他の面々も性格おかしくなってる節があるし。
 とかなんとか。