感想 そと 『ハルソラ行進曲』1巻

 大体の内容「工業高校生の日常」。女の子の学生物4コマと言うのは数多とありますが、それが工業高校重点するのはあまりない。それもガチ工業高校ネタならこの作品の独壇場! というのが『ハルソラ行進曲』なのです。
 とはいえ、基本的に女の子がほんわかとした学生生活するというこの類の物の基本は、この漫画でも維持されています。ゆるふわ。なんと聞こえのよい言葉か―――。というのを感じつつ、それでもきっちり工業高校であるネタはある辺りがこの漫画の良い所。メイン4人の一人、若乃さんの工業的精神というか、物作り大好きっ子っぷりは見ていて清々しいレベルです。学園祭で現場の判断だ! で仕事増やして色々作りたい! する様はバイタリティの言葉がぴったりきます。それは小動物的な雰囲気からは想像できないレベル。その力で色々と動くのが素晴らしい。この子見てればいいなあ、というのがメインらしい形で示されますが、しかし先に書いたように小動物的な雰囲気もしっかりあるので、バタバタ動いてるのになんだかほっこりとするのです。いいなあ。
 さておき。
 個人的な趣味の話をさせていただくと、やなぎさん最高やないですかね……。見た目クールながらも部活バカという言葉が完全に正しい部活バカ。好きな事にまっすぐ、過ぎて他がおざなり、というよくあるといえばそうな属性持ちですが、基本的にクール系でそれ、というのが珍しいというか。そもそも工業高校に入ったのもその部活、吹奏楽部の強豪だから、というので、工業科で重要な手先は全く不器用で工業高校向いてないのでは、と思わせますが、若乃さんと交流して行く中で、徐々にそっちもいいなあ、となってきているのがいいのです。でも、やっぱり映えるのは部活している時。フルート吹くやなぎちゃんが良いのです。ふつくしい……のです。好きな事に真剣なのって、若乃さんもそうだけどやっぱりいい彩りとして見えるなあ、とか。水泳部の話での朱莉さんとサヤさんも、そう言う部分があって、授業もだけど部活も学生というのが活かせる場なんだよなあ、と理解してみたり。
 さておき。
 工業高校ネタの方は溶接とか、そっちの道を進んでないとそうそう出会わない技術が出てきたりします。回数としてはそう多くないですが、それでもアクセントとして、そして特殊作業系として、十分に存在感を持っています。こういうことやるんだー、というのを強く感じましたよ。その延長線上で学園祭も趣が違っていたりするのもいいですね。製作する物が他の科とは趣が違いますし、ガチですし。そういう見たことのない物が見たいという欲求を満たしてくれる所もまた、この漫画のいい所でありましょう。
 とかなんとか。