感想 HRD 『アホっぽいネコ耳女子高生』

 大体の内容「アホの子がぁ! ネコ耳でぇ! 画面端ぃ!」。頭ゆるゆるなアホのネコっ娘ハルさんと友達達が女子高生ライフをエンジョイする漫画。それが『アホっぽいネコ耳女子高生』、アホキャッツなのです。
 今更ネコ耳追加しただけのゆるゆるなんて食傷だぜ。そう考えていた時期が俺にもありました。しかし、実際に目にしてみれば、ハルさんの頭のゆるみっぷりはこちらが思っていた当初の限度額を遥かに超えており、それは開幕から教室を爆破した段で分からされます。インパクトというには余りに大きく、しかしその割に深刻な事にならないで次の回で特に理由なく樹が覆い茂って屋根問題はかたがついたりするので全く読めない手筋を食らわされます。この屋根問題は更に樹を切って元に戻そうという計画に対抗したりする話にもなったりするのでもう何が何だか。その割に後の回では樹であるのが常態になってしまって誰も文句言わないし、話としてはフェードアウトするしで、この辺りの手管がぐだぐだながらぐだぐだでありぐだぐだで、むしろ好感が持てるのであります。このぐだぐだ感は全体のトーンとして存在しており、それが好みになるかどうかでこの漫画に対する方向性がジャッジされますが、個人的には大変好ましいのでこの単行本が出た事に、満足するしか、ないじゃないか……。という風に満足しております。もうちょい続いてたらどうなったかなあ、とか。
 この漫画のゆるさは基本的にメインパーソナリティのハルさんがゆるゆるな頭なのが原因ですが、ハルさんは本当にめげないメンタル強い子です。都合よく考え過ぎなとこもありますが、基本的に馬鹿で心に正直で、だから見ていて馬鹿だなあと思うけど、不快に思ったりできない。憎からず思ってしまうといいますか、なんかこいついいなあ。青春満喫してんなあ。と思ってしまいます。ライバルさん登場とかの波乱も、やっぱりハルさんのポジティブシンキングと相手がちょろいのもあって速攻でそこそこ仲良くなるのも微笑ましい。仲良き事は美しきかな。
 さておき。
 個人的にはクロさんが好きなんですよ、登場人物の中では。そうです、黒ロンですよ。あれですよ、黒ロンは七難隠すって言いますもんね。それだけでも大きいんですが、なんか異様に高性能なのもツボ。工学系に強いのか、機械工場にバイトに行ったら速攻でチーフになる、というよくよく考えなくても無茶苦茶な腕前持ってて、そういうのもまた見た目麗しい黒ロン子が、というので倍点だったりするのです。工業に強い女の子って素敵やん……。最終的にタイムマシンを作りたい縮退炉作ったとか言ってたのも大変ポイント高いですね、無茶苦茶で。そしてそれが出来そうに見えるのも含めて。そして黒ロン。素晴らしい。←結局の帰結
 そういう部分がもうちょい長く見れたらなあ、とか思ったりしたと記載して、〆たいと思います。