感想 北欧ゆう 『高橋さんが聞いている』3巻

 大体の内容「エナさんの盗み聞きの始まりの物語」。が挿入されたりするのが、『高橋さんが聞いている』3巻なのです。
 エナさんの盗み聞きの始まりの物語は、この漫画の基本フォーマットが如何なるものかと言うのがよくよくわかる内容でした。趣味も無い、と嘆くエナさんが、奈良御影ペアの亜空の会話に遭遇、その魅力のとりこになる事で、今のヘッドフォンつけたエナさんが生まれると言う流れ。ある意味では安定ですが、初っ端から奈良君と御影君はいつもの会話してたんだなあ、というのが大変去来するものがあります。三人が三人ともあのタイミングで出会わなかったら、今のこの漫画は無いのか、というのが感慨深いです。この段階で既にエクストリーム盗み聞きしてるのも要点。運命か……。
 さておき。
 今回は1話1盗み聞きの基本はそのままに、長いキャンペーン、奈良御影仲違いシリーズがぶっこまれます。今まで亜空の会話をするとはいえ、仲は良かった二人がチョットした事で仲違いして、それから仲直りしていくのを見るキャンペーンです。エナさんはその趣味の性質上、それを聞いていることしかできないのがこの漫画の限界点として浮き上がってきた感じであります。今後またこういうことは起きないだろうというのも、その限界ゆえに理解出来たりも。この辺が聞いているだけしかできない故の弱点ではあるなあ。とも。案外臨界点は近いのかしら。ドラマCDとか出るらしいけどどうなるのかしら。
 今回のエクストリーム盗み聞きはバスの上の荷台に潜む回や男湯に忍び込む回とか、仲違いシリーズでやっておられます。バス荷台もそこ以外では確かに聞けないけどそれにしたって、と思いますが、男湯忍び込みは途中で気づかれそうになるというエクストリームの危険度具合が限界に達しておりました。ぶっちゃけどっちも加藤が気づきそうになるというので、このエクストリームシリーズの要点は加藤なのか、という気持ちにも。アイツは空気を読まないからな。
 とかなんとか。