感想 みなぎ得一 『√3 ひとなみにおごれやおなご』2巻

 大体の内容「今日も都市伝説をなんでか追い掛けるの巻」。コックリーズ、基本的に巻き込まれ体質なんでしょうか。と言うくらいに頻繁に都市伝説と噛み合う事になっている保由、初音、魔魅の三人娘のちょっとした活躍を見る漫画、それが『√3』なのです。
 とはいえ、巻き込まれ体質というより、相手側、都市伝説側(謎言葉)の方が優先的にコックリーズに狙い定めている節があるのがこの漫画の変な所です。実際に学校に都市伝説が出まくり、元々学校の怪談ってのは都市伝説の大きなウェイトであるにしても、ですし、この2巻の後半で謎の男が保由さんの知識に対して賞賛してたりしてましたが、こいつ、1巻の方で都市伝説の更新に一喜してた人じゃないか? というのが提示される訳でもあります。この怪人物、その目的はさっぱらぱーであり、保由さん達の都市伝説に当たっていくのをむしろ推奨しているので、何か都市伝説そのものと関係性のあるお人なのかしら、とは思うんですが、ここはまだ謎のまま残されています。都市伝説が更新されて得をするってのが良く分からんなあ。新たな怪異としての都市伝説を鍛えて、何かしようとかそういうのかしら。鍛えて、何かあるのか? あるんだろうなあ。
 それに、謎と言うと、この巻最初に保由さんの家の首つりの木でくくろうとしていた画家、というのが謎です。ぱっと見の感じは同じみなぎ得一作品の『足洗邸の住人たち。』のメインキャラ、福太郎さんっぽいんですが、あっちより死にたみは強いみたいで実際くくろうとしてたり、またこの巻の最後の方でちょっと柄悪い感じでぶつかった相手に舌打ちしてたので、若干イメージが違うなあ、という印象を持ったり。一応、丁寧な人やったしなあ、福ちゃん。その人が怪人赤マントになって次巻! なので次の巻でその辺の事が分かる、かなあ。分かんないだろうなあ。というか、ぱっと見同じに見えるだけの人なのか、やっぱり本人なのかで、この漫画の立ち位置も変わってきそうです。
 さておき。
 今回も相変わらずネーム量というか文章量が多い漫画です。保由さんが特に語りたがり(本人は否定しそうだけど実質そうだよな)な部分がある為、放っておくとどんどんと文章が連なられます。しかもこういう都市伝説のまとめとしては十二分に楽しいのが相まって、確実に好き嫌いが分かれる、というか漫画なら絵でどうにかしろよ! 的な事言われそうな漫画となっています。基本的にうんちく部分もきっちり絵も交えて描いてるから、理解しやすいですけども、まあ拒否反応とかありますよね。この辺はうんちくを語る漫画の勘所というかウィークポイントですが、それでも十分読ませる内容ですよ! と書いておきたいです。というか、このうんちくを見る為に読んでるクラスタなので、そりゃまあ当然そう思うと言えばそうですけども! でも本当に、都市伝説の解釈というのがこうも面白いのか、と知らされただけでも、この漫画は有り難いんですよ!
 とかなんとか。