感想 浜田よしかづ 『つぐもも』14巻

 大体の内容「バトルバトル! からの、悲しき運命」。今回は迷い家編とも言うべき流れが、いきなりかずやの母、奏歌さんのインターセプトからの大バトル展開! して、奏歌編へと移行し、とうとうこの漫画の終わり方が見えてくる形になってまいりました。今までこの漫画どこに決着するんだろうという感想をずっと持っていましたが、それがやっとこさ見えたのでなんとも言えない気分、終わらない漫画は無いし、だらだら続けていい事は大体ないのも分かっているけど、終わっていくんだと思うとなんとも切ない気持ち、があります。ここに至るまでの紆余曲折は本当に長くて、特に奏歌さんの伏線は初期から張っていたけど、それが途中でうっちゃられた感もあったのがここでこの形、倒す敵、正確に言えば殺す敵相手として復帰したのは、やっぱり終わる為であるのは明白です。本当にその辺がぐだぐだだったよなあ、この漫画。それが、こうやって終わる道を見せるというのがなんとも。とはいえまたまだ伏線を張ってたりする辺りを見るにまだ終わるまで結構かかりそうでもあります。その辺どうなってしまうのか。作中に3年という時間が設定されたけど、これじっくりやっても速攻やっても出来るからなあ。本当にどうなるんだろか。
 さておき。
 今回のバトル展開の蓋然性の高さというか、超常バトルとしての土台が、設定などがきっちり培われているからこその見栄えの良さは本当にハラショー! 事案です。今回はほぼバトル展開だったので、その部分が駄目だと全くいけない訳ですが、その部分の浜田せんせの素晴らしさが今回は爆裂しておりました。息つく間もない高速バトル展開でありまして、本当に苦もなく一気に読めるのに濃密で満足度が異様に高いという不思議な時間を体験させてくれます。そして勝敗を左右する部分の納得度の高さも、やはり素晴らしい。今までの積み重ねがまさか奏歌さん側に利するとは! というのがいいのです。ちゃんと納得出来るんですよ。これでなんとなく勝たれたら満足出来ない所なので、明確な差がちゃんと出たのはいい事ですよ! このバトルの流れ、これは口で説明するより見てください! した方がいい事案ですので、もっと皆こぞって『つぐもも』を見るといいと思います。
 さておき。
 今回の件でかずやは運命の大きな岐路に立たされ、そして道を、母を倒す道を選びます。その決意は本当の所どういうレベルなのか、というのはまだ明確にはなっていない、これから明確になろう所ですが、それでも描かれる中ではきっちりと決意を持っているようであり、それが父への台詞などからもにじんできています。強くなったなあ、かずや。これからまた崩れる可能性とか、ない訳じゃないんだろうけど、でもこの決意は揺るがないんじゃないか、とは、単行本にして14巻まで付き合ってきた相手なので当然思えたりします。ゆえに辛い部分、大切な人を失ったと言う事実があるのも分かりますが、これを乗り越えて欲しいです。
 さておき。
 今回は連載部分でサービスシーンがある場面は全くありませんでした。無かったのです。浜かづ屋、大丈夫か!? と『つぐもも』を知っている人には思えるでしょうし、僕もそう思いました。が、それでは裸を描かない=息をしないである浜かづ屋が耐えられる訳もなく、当然描き下ろしでは思いっきりこれが俺の俺サービス! しております。夢!なんと聞こえの良い言葉か―――。というかかずやってなんであんなに女性に好まれるんでしょうか。いや、いい奴なんだけど。だけど、夢であんなの見るようなセックスアピールないでしょ? あれは逆におねショタ要素だという事でそうかもなので、そう言う意味で心惹かれる部分があるんでしょうかね。羨ましい……。
 とかなんとか。