感想 高橋慶太郎 『デストロ246』5巻

 大体の内容「JKおっかねえ……。JK信用できねえ!」。4巻最後(感想)でやばい奴らが街中にIN! して街の人逃げてー! な状況下だったのが、そこでの一触即発なところが一旦有耶無耶になって、事態は一応収まる、かに見えた、んだけど。というのが『デストロ246』5巻なのです。
 今回はワンクッションとしてまたしてもやばいJK勢揃いという何時か見た光景があるんですが、そこでの違いは三つ。透野氏が指死んでいる事。翠藍コンビの仇敵となった沙紀さんがいる事。そして葉子の存在がある事。基本的に苺郎党は今回の件にあんまり深い関わりじゃないので、今回は顔合わせと手打ちみたいな展開でそれ前にもありませんでしたか。みたいな所がありますが翠藍コンビの方がのっぴきならないので状況的にバランサーみたいな役割だったかと思います。放っておくと殺し合いし始めるの三秒前ですからね、翠藍と沙紀さん。とはいえ、この面々はある意味では壷毒の類になりつつある関係性でもあるんですけども。
 それよりも翠藍コンビです。資金と物資というバックボーンが失われた二人ですが、その復讐心は完全に受け継いでしまい、ある意味もっとも野に放ってはならないタイプが野っ原に放たれた格好です。そして言説と行動も徐々におかしくなりつつあり、透野氏から授かった殺し屋殺しという命が一周回って殺し屋を殺せば装備とお金が手に入る! という方向になってそれを示してくれたんだ。と言い出し、その思考によって殺し屋を殺して装備品を、という段でその殺った殺し屋がその辺りの武器商人だったので相当の物が手に入る、というのに欲しかった弾薬だけ手に入れてリリースするという行動をしていて、二人のヤバさ加減が徐々に高まってきているように感じました。復讐という首尾一貫しているからこその頭のおかしさが存分に出ていると言えます。
 そして、その翠藍コンビのおこぼれを手に入れたのは苺郎党。南天の勘で武器商人の殺し屋の様子を探っていたら、その殺し屋を翠藍コンビがぶっ殺してそして武器庫をほぼ手つかずの状態にして、というビックチャンス。その辺りでは最大手の武器庫全部をかっさらう事になって、一帯のパワーバランスが崩れるような展開に。ついでに武器商人と関係のある取引先(婉曲表現)ともおさらばという事になりますが、そこでの苺郎党の今までの鬱屈が暴力に転換される瞬間の、この漫画特有の黒色が素晴らしい。こいつら絶対悪いー! という凶悪な面構えになってました。この顔立ちになると、輝いているなあ、という印象が強くなりますが、女の子がする顔立ちでは絶対に無いのだけれど、だからこそこの漫画らしい、この漫画の良さだと言えます。並みのJK漫画では辿りつけないし辿りつく必要が無い方向性。だからこそ、この漫画らしいのです、と二回言うぐらいでした。
 さておき。
 苺郎党によって、そして遠縁ながら翠藍コンビによってパワーバランスが崩れたことで、五角が動き始め、そして沙紀さんも、なんですが、沙紀さんとしてはなんというか、もっとガチガチでギチギチでグリグリな、とにかくひりつく殺し合いがしたいらしく、雑魚を噛まさせて何になるんだよ! というのでその雑魚を当然のようにぶっ殺して、で、そこでとうとう紅雪と交戦する事に。と思ったら、伊万里も登場してどうなるこの乱戦! で次巻を待て! となりました。とうとう女面子に死人が出るのか! それとも再起不能程度で済むのか! 中々面白い展開でありますよ。流石に、ベニベニは死ぬかな……。
 さておき。
 ビストロ246はいつも全然有り難くないエロさで困る。おっぱいもむ、がなんでこう、対処に困るエロ要素としてぶっ込まれてくるのか。誰がまともにエロ要素するかよ! クソして寝ろ! みたいなアトモスフィアなんだよなあ。嫌いじゃないけど、どこ宛ての物なのかとかはやっぱり考えますよね……。
 とかなんとか。