『まんがタイムきららミラク』2015年7月号 感想

今号の巻頭漫画感想

川井マコト幸腹グラフィティ

 きりんときりん母の二人旅スタート! 一回で終わることなく次回に続く前後編となりました。しかし、きりん母はきりんがいつものように食って楽しんでもらおうとして、きりんはきりん母が旅行苦手だから、観光で楽しんでもらおう、と考える、このお互いを思い合う心と、それによる微妙なすれ違いが素晴らしい。お互い「あれ、なんか違う?」って所から徐々に相手の気持ちに、というのが本当に良いものでありました。リョウさんが出てくる要素が無いという、今までのこの漫画では珍しい回だと予想していたのでどうなるか、と思ったらこれですよ。そういう部分なくてもきっちり漫画として取りまわせる、というのは本当に卓越してきたなあ、という感想が湧くのでありました。

個別チェック三連撃

PAPA『ミソニノミコト』

 ウノハナヒメの神棚作るぜ! 回。神棚の話とか、そこに付属する御札の事とか、きっちりとしてるなー、というのは毎度の事ですが、ウノハナさんが本当に嬉しそうだったのがとても印象に残っています。それに対応してのサバノミソニノミコトの駄目さ加減が。何時かこいつバチが当たるな、って神様なのにバチ当たる事があるのか。という気持ちも生まれますが、でもそれも已むなし。そして神棚移動はわりと引っかかる事があるというのが面白かったです。それするっと出てくるとかじゃないんだ。だったらどういう仕組みなんだよ。

キキ『ビビッド・モスンターズ・クロニクル』

 アプデ! 皆新マップ行こうぜ! と言う事で新ダンジョンに行く回。しかし、新ダンジョンはまだ安定してないのか、二手に分かれてしまう事に。そこで待ちうけるNPCのキャラが妙に濃ゆい。そのNPCが勝手に動く辺りがゲームとしてちゃんと現実とは違う感があって好ましかったり。人が多過ぎてラグったりもそうですね。ちゃんとゲーム内だよーって振舞いなのが。キャラの動きとかがそれにしては細かい事にならぬか、と言うのは、NPCでもあの動き魅せたなら出来ないことではないのかも、とか思ったり思わなかったり。

ちろり『箱庭ひなたぼっこ』

 赤点取るとヤバい! 橘先輩がまぢやばいって言うくらいヤバい! と言う事で日向さんが勉強する回。±がどうにもの見込みが悪いのを、草花を代わりに使って、まではまだ分かりますが、これなら宇宙すら分かる、と言いだす日向さんはほんのりマジ雰囲気でそんな事を言うのでこいつヤバい! という雰囲気でありました。蘭さんの赤点取ったら蝉の抜け殻をデコる、という脅しもあれでしたが、それについてはミニひまわりにデコる、で駄目ー! という日向さんの駄目の基準が分かりません。相対すると自分はいいのか。いいというのか。まあ、一日刻みで写真撮って成長が、って言ってる人だからな……。

今号の巻末漫画感想

みやこ『ああいえば英雄』

 魔王登場! でもこのダウナーで駄目っ子が優れた魔王、って魔王業界は人材不足し過ぎてないか。それでも大丈夫なくらいの魔王としての素質があるのか。今回見る限りではそんな風ではないんだけどなあ。この世界での英雄がへっぽこだから、そういう奴ばかり相手にしてきた、という豪運持ちとかなのかしら。

一応の総評

 今回はゲスト多かったですね。と言う事でゲスト話しますが、鴻巣覚『やさしい新説死霊術』が好みです。いい話に見えて先生なんかおかしなことしなさっている! 涙舐めてる! これは嘘をついている時の味だぜ! と言う事でこの漫画の奥行きが非常に複雑なあわいを持ってきています。ベーシックな部分も多いですが、楽しませる部分もきっちりあり、悩みな部分もあり、そして先生の謎行動ありと大変盛りだくさんで、連載にならないかなあ、と思ったり。次点では奥たまむし『ハート オブ the ガール』も良いですね。こういう無茶な設定! 好きなのですよ。次回が何かきな臭い感じなのも。どうなっていくか。これも連載しないかなー。というゲスト話でした。
 さておき。今回でしんと『ゆずりはコーポレーション』が最終回。ジニーの育ち具合に全部持ってかれた感があります。アメリカ、なんと聞こえの良い言葉かーーー。いい雰囲気で終わりはしたので、これはこれで! ではありますがやっぱりジニーの成長具合がね……。
 とかなんとか。