感想 沼江蛙 『ゲキカラ文化交流』3巻

ゲキカラ文化交流 (3) (まんがタイムコミックス)

ゲキカラ文化交流 (3) (まんがタイムコミックス)

 大体の内容「文化交流よ永遠に」。この巻にて最終巻となった『ゲキカラ文化交流』ですが、どんどん学校場面が多くなりましたが、基本はカレー屋での亜脱臼した会話劇と亜脱臼したGAG。そんなピリッとくる味わい。それが『ゲキカラ文化交流』の味わいなのです。
 基本的に会話が酷く亜脱臼しているのがこの漫画の基本ですが、にしたって会話が成り立つのが不思議な会話劇です。特にアイシャさんが良く考えないでボケぶっ込む、あるいは考えた上であえてのぶっ込みなのかもしれないですが、みゆきさんは増幅したり端緒だったりして掻きまわすし、ツッコミのキャサリンさんはツッコミ力が低いし、というので本当に会話がぐだぐだしてオチているのかオチていないのか怪しい歩みは今回も健在です。健在過ぎてキャラクター面がどんどん補強されて余計にぐだぐだです。地味に新キャラも出てきますが、登場シーンが少ないし会話が亜脱臼しないキャラなので印象に残らない上に執事がセバスチャンで亜脱臼する会話するからそっちに全部持ってかれるしでもう。新キャラ、必要でしたか? という疑問すらふつふつとわいてきます。雪蘭ちゃんカワイソス。
 というか、学校メンバーのキャラ立ちあがりがこの巻にたブースト!されて、特にナオさんの大食漢キャラとダイエットキャラとパワーキャラが合わさって最強に見える状態です。うどんキャラが定着したアヤコさんもみゆきさんと林の間に立ちはだかる壁になってみたりしたりしますし、吉田君は病弱キャラがどっかいってしまって単なる中二病だし、林はいつも通りだしで、大変なことに。それでみゆき、アイシャ、キャサリンの三人はいつものペースなので、本当に雪蘭ちゃんの入る隙は無かったですね……。もうちょっと補強してあげても良かったんでは……。
 しかし、今回はそれだけでは終わりません。何せ最終巻です。何かひとつくらい到達したいじゃないですか。そういう欲求があったのか。単にこの話を終わらせるのはこうだな。と冷徹な視座があったのか。とにかく林がとうとうみゆきさんに告る! とか言い出して、その台詞がいきなり「結婚してください!」なので後は推して知るべし、と思うのが今までの読者の視点です。だが、そこがつけ目です。なんと、みゆきさんが結婚OKを! あ・・・? あ・・・? ってなりますよ。林のちょっと気持ち悪い所がいいとか言い出す辺りマジでセンス分からん。とか考えるんですが、みゆきさんのセンスが良く分かったことなんて一度も無かった、と思い当たるとこの展開もありといえばそうなのか。という納得が突然生まれます。完全にしてやられて脳がおかしくなっているとしか言いようが無いです。幸あれ!
 さておき。
 個人的に一番好きなネタはシーフードカレーのシーフードがわかめ! 昆布! 海苔! のネタでしょう。海藻ェ……。それ磯臭くなりすぎませんか!? とか、全部溶けちゃわないの? とか突っ込み所多過ぎます。でも、アイシャさんだからね。←便利ワード