感想 クマノイ 『リメインズ・JC』1巻

リメインズ・JC (1) (まんがタイムKRコミックス)

リメインズ・JC (1) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「4少女遭難記」。ひまり、るい、桐嶋、宮田の住む場所、それは学校。しかし、そこもですが、そこ以外の街々は既に廃墟。水、ガス、電気というインフラも途絶し、ひまり達以外は人っ子一人いないそこで、4人は生きていく……。と書くと悲壮感全開なのに4人組はなんか妙に楽しそう。そんな変な漫画なのが『リメインズ・JC』なのです。
 この漫画の短所は、いうなれば4人がパワフルなので、普通にやれば醸し出されるであろう悲壮感の無い所にあります。しかし、それは一転して長所に、こんな遭難生活なのにパワフルゆえに楽しそうに見えるという逆転現象として立ち上がってきます。バタバタと、活き活きと、バイタリティ溢るるその様は、見ていて楽しい物があります。正直に申しまして、やろうと思えばデッドエンドすら可能な設定をこうも崩してくる、というのが最初ちょっと引っかかってたんですが、それが4人のバイタリティの強さである、と理解してから一気に好みの漫画になってしまいました。
 本当に変と言えばその通りで、生活インフラが途絶して、食糧も缶詰に頼ったり畑作ったりな綱渡りなのに、でもやっぱり悲壮感はない。でも偶にこのカタストロフの情報が出て、そこには絶望的な瞬間がある。その時、一体何が? そもそも何で人間だけ、ひまり達を残していなくなっているのか? カラー口絵からすると脱出したような雰囲気でしたが、あの夢もそのまま信用していいものでもない、桐嶋さんとひまるいはこのカタストロフ前に知り合いではなかったのにあの台詞、ので、本当に何が起きたのだろうか、と気になってしまいます。まだ助けを待っているって所もあるみたいだけど、そのカタストロフの甚大さ加減は相当。と言うか本当に本当に何が。そこが明らかにされないまま終わりそうですが。
 この漫画、宮田が加入してから良い感じなったと思っていたり。ひまるい桐の三人ではひまるいが動くタイプですが、そこが若干抑えめ、ちゃんと規律に従っているので、そこをかきまわそうとする、特に食について、ので、話の飛び幅が増えているように感じます。桐嶋さんの秘密のカラオケとかの話はひまるいでは達入れなかっただろうし。というか、食用が旺盛にも程があるよ、宮田。ちょっと出自が謎でミステリアスめいた瞬間があったのに、食いものの話で暴れるから、一気に吹き飛んじゃったし。でも、出自本当に謎なんだよな、宮田。これもちゃんと回収される伏線なんだろうか。
 とかなんとか。