感想 冬川 『ぶっくまーく!!』

 大体の内容「アイエッ!? 文芸部!?」。という感じで文芸部という雰囲気全くないまま、とりあえずチート気味な皆さんにより図書室にてお送りされるのがこの漫画、『ぶっくまーく!!』なのです。
 まずは登場人物の4人の紹介から! いってみましょー! オナシャース!

はじめさん


ぱっと見、普通の子

 ぱっと見は普通なはじめさん。実際にこの漫画内においては比較的普通の人です。ヒーロー好きという点が唯一と言える違い。ヒーローなら色々と好きで、そのせいで後述のいといさんがやきもきするのがこの漫画の通奏低音としてあります。あと、鈍ちんでもあり、いといさんが熱烈ラブコールしてるのに分かってなかったり、いといさんがこれも後述するヒーローのきゆこさんを場から排除しようとしてるのに求めたりしてたり。この辺のすれ違いがこの漫画の妙味ですね。

いといさん


こういうとこ可愛いんだけど

 この漫画の無茶さの権化。本で読んだ知識をフル活用して、しかもそれが超科学めいてても成立させるお人。小学生の頃にヒーローベルトを作ってそれできゆこさんがヒーローしているというのでもう無茶。後半で温泉を掘りあてたりもするので一層無茶。でも、その心は幼馴染はじめさんに向いており、ちょっと無茶苦茶なスキルを駆使して、偶にはっきり口にして、ラブってるんですが、はじめさんは全く気付いていないという。ヒーローに恨みというか、昔から悪役させられてたゆえのものがあり、きゆこさんにはじめさん取られてなるものか、となっているのも可愛いですね?

しゅんさん


力こそパワー!

 この漫画の無茶さの権化。おっぱい大きいという外面的パワーと怪力という外面的パワーの合わせ技一本! おっぱいは暴力的に大きくてこの人の出るタイミングは大体そのネタ。怪力も凄くて水道の蛇口を易々と引きちぎれるレベルで、更に研鑽にも余念がないという怪力キャラとしては隙が無いお人。出てきたら大体何か破壊しているなあ。いといさんの気持ちが分かっている人でもあり、陰になって応援しているけど、もうちょっときっちり応援してあげた方が、という陰っぷりです。もうちょっと日向にでたげて!

きゆこさん


ヒーロー推参

 この漫画の無茶さの権化。ヒーロー。目からビームが出せる。その力の源はいといさんの作ったヒーローベルトなのは前述の通り。この世界はヒーローが色々いるっぺれえんだけど、そこについて深く語られる事はなく、ただただヒーローとしてのきゆこさんはしっかりヒーローだったりする。とはいえ、私憤に駆られることのあったり、ずっこけたりもあるので完璧なヒーローって訳でもないのが余計に愛おしい。ヒーロー好きのはじめさんに対しても特にこれといった事はしない辺り、ヒーローとしての分をわきまえている感じです。
 さておき。
 この4人だけで基本お送りされるのがこの漫画な訳ですが、人物紹介の段階でこの漫画の無茶さの権化が三人いるっ!? 四分の三!? ってなるでしょうが実際そうなのでご容赦いただきたい。しかし、その無茶さの権化がするのは、基本的に図書室にまつわるエトセトラ。基本的にいといさんがはじめさんへの行動を色々してしゅんさんが胸ネタと破壊をまき散らしきゆこさんがヒーロー推参。それがベーシックなテンポとしてあり、その中から色々とネタを出すという漫画なのです。無茶な奴らを使って色々な方向から、でも基本には忠実に、後百合っぽいような違うような、という綺麗な仕事であります。その辺が好きな漫画だったですが、1巻完結なのであります。もうちょっと続いて無茶が破綻しそうになるの見たかったですが、それはまあ、ゆがんだファン心理ですので心に封印して、〆の言葉と代えさせていただきます。