感想 三家本礼 『血まみれスケバンチェーンソー』9巻

 大体の内容「屍山血河!」。ネロ一党との激しい戦闘から束の間、キンバリーが帰ってきた、かに見えたその時、キンバリーがキンバリーだったもの、へと変貌を遂げ、水島を……。しかし悲しみに暮れている場合ではなく、突き進むギ―コ達だったが、その目の前に再び水島が。ということでネロに対する「外道〜〜〜〜〜〜!!」という気持ちが湧きあがりつつも、ギ―コ達の選択が正しいのだけれど、それを仙崎部長が簡単に見過ごせるか、というのもあり、ということでぐらぐらとこちらも揺れ動かされる、それが『血まみれスケバンチェーンソー』9巻の屍山血河っぷりなのです。
 ネロの策略は本当に、もう一回言いますが平松伸二顔で「外道〜〜〜〜〜!!」なものです。キンバリーに対して使った薬がキンバリーの人間性を壊して野獣めいたものに変える、だけならまだいいんですよ。これなら倒すしかない、ってなりますから。しかし、その面で前回水島に対してしくじりをしていたネロがそれだけで済ますことはなく、薬の効果が偶発的且つ一時的に切れる、という、つまりキンバリーが元に戻る可能性があるのか、というのをやってくる訳ですよ。まさしく外道。ここまで清々しくやられる様を見たいという気持ちになる外道はそうそういないですよ。しかし、外道であるがくせにどうすれば相手が苦しむかというのが分かっているという人の心の機微をしっかり理解していて、そしてそれに唾吐いているのがまたネロの憎たらしさ。こうすりゃ苦しむんだろバカな奴らだはっはー! ってやってますからね。本当に外道。
 更に、水島を生き返してギ―コ達の前に、というのもやっていて、それで仙崎部長とギ―コ達がぎくしゃくする、というのをやってくる訳ですよ。訳ですよ何回も言いたくなるくらい外道の様を見せつけてくる訳ですよ。ここもきっちり相手の心を理解しているので、そう言う面の理解力が無い訳ではない、けど基本的に掃いて捨てるものだとしている辺りが、本当にゲスの極みです。某ワゴンの名台詞を借りるなら、こいつは臭ぇ! ゲロ以下の臭いがぷんぷんするぜぇー! っていうのが本当にネロのような奴の為にあるんだ、という実感が伴います。
 そんなネロとの前哨戦として、秘書役をしていたガシャ子と魔魅のコンビ戦は再生するというファクターが突っ込まれて、え、倒せなくね? と思っていたら、ドリ子の登場という偶発的なファクターで血が要だから水につけてしまえば、という、当然その施術をしているだろうネロ、というか実際ネロは高速再生するのがこの段階でも確認されていますが、に対してのアドバンテージになるのが読者側としては分かり、で、どうなるのか、とネロ戦に突入。秘密兵器ペインキラーで高速再生するネロにギ―コも敵わないのか! ネメシスも出てくるけど、やはり! で、どうなるのかと思ったら爆谷ですよ。仙崎部長と何か密談をしていたシーンがありましたが、その手を借りて回復しての登場。しかし、爆谷だけで勝てる相手なのか。というかネロの凄い無様な死にざま早く見たいです! になっているので早急に決着つけばいいんですけども。でも、ギ―コのチェーンソーがぶっ壊れてるし、爆谷は整備ちゃんと出来たか微妙だし、ナグルシュファーは近接だから通用しないだろうし、で本当にどうなってしまうのか。