感想 湖西晶 『〆切ごはん』2巻

 大体の内容「あるエロ漫画家の日常、第二陣!」エロ漫画家梅ゆかりさんの漫画執筆とお食事の日々。それが『〆切ごはん』なのですが、今回は同じエロ漫画家桜でんぶ先生も登場したり、編集者瀬戸さんの豪気な飲みっぷりが見れたりと、徐々に他の役者の立ち振る舞いが濃厚になっていくのも、この2巻なのです。
 今回の巻の大きな部分というのはなんと四つあります。一つがゆかりさんの二冊目の単行本発売の作業関係、一つが先に書いた桜でんぶ先生の上京、一つが新作をいちゃラブで! 最後の一つが親バレ! であります。一つずつ見て行きましょう。
 ゆかりさんの二冊目単行本の単行本作業は色々と湖西先生の経験もあるのかなあ、というくらい大変そうでありました。カラー描き下ろし18ページにモノクロ修正作業もなので、豚汁作ってこもる! してても中々乗り越えられないハードルっぷりは、素直に大変だなあ。という小並感が発動しますし、こういう大変さが漫画家さんが描くと本当に地獄めいているなあ、と思わされます。カラーは新規だから当然厳しいし、モノクロは一年前の原稿=一年前の画力なのでそっちも精神的に厳しいという、厳しさMAXIMAM。打ち合わせ含めてこの単行本作業で4回を使われたので、どれだけ大変だったかは分かろうものです。そしてこの話にはもう一つトピックがあり、それは瀬戸さん初の単行本ということなのです。なのでこの単行本絡みの最初と最後は瀬戸さんが取り仕切ります。
 最初は飲みの席での瀬戸さんの飲兵衛っぷりが出ていたのが印象的です。食べて、飲む! というだけですが、その飲みっぷりと食べっぷりが大変雄々しく、その上でちゃんと帰って仕事してた、というので瀬戸さんの個人的な評価が鰻登りでした。エロい妄想を捗らせるだけじゃない! というか、あれだけエロい感じなのに大学時代とかやばくなかったのか、と思ってましたが、成程あれだけ酒豪なら酒の席で酔っ払わされての心配ないですな。並みの男より遥かに飲んでたし。
 最後の方は瀬戸さんにとっての最初のエロ漫画単行本の発売を見に行く話ですが、この辺りはやはり編集さんに実際聞いた話とかなんだろうなあ、と思いつつ、でも瀬戸さんがエロ漫画コーナーで「ふええ」されたら流石に買いづらいよな……、とか。女性が居るだけで十二分に買いづらいのに、可憐でエロい人だったら余計にですよ……。
 さておき。
 次は桜でんぶ先生の話。ゆかり先生とはどういう封に知り会ったなのか不明ながら、今のゆかり先生の家を紹介した人物ではあり、同じエロ漫画家としても単行本に寄稿してくれたり、一緒にスポーツジムに行ったりと仲は良好なご様子。漫画テク自体も高いらしいし、洞察力というか妄想力も次に上げる新作を描くにあたってゆかり先生がどうして凌辱が中心なのか言い当てたりするし、アニメのキャラデザの仕事でリッチな上京しているしで、かなり有名なお人なのですよ。一体どういう漫画描いてるんだろうか、というのも気になります。ペンネームのように至高の尻漫画らしいですが、どう尻要素に定評があるのか、見てみたいですヨネ。
 さておき。
 次はゆかり先生の新作の話。甘々なんて描けるかー! しているゆかり先生が可愛らしかったです。模擬に使った姫騎士とオークフィギアもこぞって吐血してました。でんぶ先生の言う通り、好きって上手く言えないし、エロに抵抗があるからこそ光る物があったって話だから、中々難しいんだろうとは思いますけれども。それに凌辱系の人がいちゃラブって中々、読者の目線も厳しくなる所がありますから、どうなるやら、ではあります。既に先月のきららで解答は出ているんですが、単行本派の方は一年待ってくださいね?
 さておき。
 最後に親バレです。とうとうバレた!? それも妹のかおりさんがサイン貰って保管してたのが!? となってゆかり先生とかおりさんが酷い顔になってましたが、それは実は親御さんが自ら買っていた物だった、とサインが無いことで判明します。エロ漫画描きを反対した親御さんでしたが、動向については知っておきたかったのか、あるいは気が気ではなかったのか。そもそもどうしてペンネーム知らなそうな親御さん達が買っていたのかについては今後の情報待ちですが、とにかく親子が歩み寄れる部分はある、というのが分かって一つの安堵が生まれるのでした。でも、どっちも頑固っぺれえから、先はまだまだか。
 さておき。
 この漫画は食漫画でもあるのでそっちの話もしますと、やっぱり印象に残っているのは豚汁三倍段。豚汁を使い回して三日間、色んな食い方しているのがとても効率的に見えましたよ。流石に飽きてくるみたいなので、その辺は実体験なのかしら。とも思えて、でも楽そうだよなあ、と。昔、カレーを何日も食べてたのを思い出しました。あれはあれで飽きなかったけど、この辺は好みの差なんでしょうかね。
 とかなんとか。