感想 せがわまさき 『十 ジュウ 忍法魔界転生』6及び7巻

十 ~忍法魔界転生~(6) (ヤンマガKCスペシャル)

十 ~忍法魔界転生~(7) (ヤンマガKCスペシャル)

　大体の内容「転生衆との対決！」。5巻使って転生衆の積み上げをやりきって、とうとう始まりました柳生十兵衛との対決！　というのが『十　ジュウ　忍法魔界転生』なのです。
　やっとこ剣豪同士の対決！　というので気分は高揚しますが、しかし当然の部分はあったとはいえ、柳生十人衆が試し切りのように殺されていくのは凄惨であります。一部できっちりと役立つ所はあるんですが、それでも転生衆とまともに立ちあえばやられてしまうのです。この辺の割り切った扱われ方を見ていると、これ全員生き残るの難しいんじゃねえのか、とすら思ってみたり。十兵衛の方よりそっちの方が気にかかる始末であります。
　さておき。
　6巻と7巻では6巻で田宮坊太郎、7巻で宝蔵院胤舜と相対することになりますが、どちらも勝負は一瞬の気をやった方が負ける辺り、山田風太郎先生の戦いに対する考えがうかがえますし、それをきっちりと画像化出来るせがわまさきせんせもやり手であります。特に宝蔵院戦との対決での刀を捨てて脇差で足を狩る場面のスピード感は絶妙と言っていいでしょうし、田宮戦での両断の描き方も素晴らしい。漫画化して漫画の良さがしっかりと出ているというのは相当の手腕が必要ですが、せがわせんせに対してはその力に対する疑念など杞憂であります。
　さておき。
　戦いばかりがこの漫画の能ではありません。十兵衛を仲間に引き入れる為の謀略も同時進行しておりまして、その為に潜り込ませたお品のエロさがもう。元からエロスですがちょっと気がふれた童女っぽく演じているのが更にエロさを格上げしておりまして、柳生十人衆はメロメロ、でも十兵衛はそれには掛らず、裏を見切っている、というので十兵衛先生の先生っぷりが先生しております。それの上に、もう一段あるのがまたいい。お品が謀っていた、というのに戻ってくるならいいぞ、とする十兵衛先生。もう本当に先生。それでお品がどう打って出るのか。というのと、頼宜が動き出したののが今後に絡んでくるんでしょう。うーん、美味いなあ。
　とかなんとか。