感想 OYSTER 『シネマちっくキネ子さん』2巻

 大体の内容「いい加減映画作れ!」。ということで、同じ時間軸をグルグル回っていたとみせかけ、実はちゃんと時間経っちゃってたんですよね、これが。というのが『シネマちっくキネ子さん』2巻の要諦なのです。
 元々一つの期限がある、という話があるにはあった訳ですが、それを全く意識せずに映画作るのか、作るのか? という押しできてしまった漫画である所の『シネマちっくキネ子さん』ですが、この時間軸が巡り巡って巡回するようなノリだったのが、最後二回前でいきなりタイムアップ! と告げられます。実際に連載期間的に言ってることと整合している、だよな、勘違いじゃないよな、ので、本当にいきなりながらそんなに作ってなかったんかい! というツッコミがぶっぱするのも仕方ないと言えましょう。そして、それできっちり落とし前を、作の一つの決着をつける方向に流れて行って、ある意味順当なオチへと向かっていきます。ハリウッド!(『アストロ球団』の「アフリカ!」の顔で)、で、どうなるやらであります。
 この巻で重要なのはビア子さんが正式加入した点ですが、出番そんなに多くないというか印象に残らないんですよね、ビア子さん。それもそのはず、この漫画はあとがきでOYSTERてんてーが暴露しているように、キネ子さん可愛いが重点の漫画なのです。そこに新たな軸を入れるにしても、正規の、キネ子さん可愛いの線との兼ね合いがありまして、その分、横合いから惚れられるとかいう展開を持つことによって、正規の線との分離が図られてますが、そのせいで印象も薄め、というのでどうしたものかと。両雄並び立たないなあ。それ以上にくるみさんが所謂霊圧が、消えた……? レベルでチョイ役だったのも切ないです。最後に大きな仕事が待っていたとはいえ、そこまででそれほど印象が残らなかったので、あー、そういう呈の、と驚きが少なかったりも。もうちょいがしがし入っていく子だったらまたあのシーンのドッキリ度違ったのかなあ。十分ドッキリしたけど、もう一段あっても。
 さておき。
 とりあえずキネ子さん可愛いですね! がこの漫画ですが、その最もたる部分とも思われた大八さんとの恋愛模様というのは、2巻だと偶に露出しますが基本はOYSTERギャグのノリ、オチがやたら説明口調! 偶に愕然! というのが重点されるせいでラブラブめいた方向には向かいません。偶に、キネ子さんが大八さんが好きなんやなー、というのが見えるんですが、そこはベタベタなのにはならず、だからと言ってドライでもなく、まだ未明の気持ちとして最後まで突っ走ります。OYSTER漫画だとベタベタなのって『超可動ガール1/6』くらいだよなあ。あれもべた甘い感じじゃないけど。でも、だから最後のシーンは良い見所になっているので、その辺は所謂痛し痒しといったところでしょうか。ガチガチに甘いのも見てみたいんよ。その辺が導入されたら、どういう漫画になっていただろうか。そう夢想しつつ、この項を閉じたいと思います。