北村游児 『いこいのそどむ』2巻


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いこいのそどむ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 大体の内容「猛の女難ロードは、まさかの結末!」。ということで、この2巻をもって『いこいのそどむ』(1巻感想)は完結となります。完結に向かう流れの鋭さは中々のものがあります。打ち切りという感覚もありますが、最後のもって行き方は怒涛ながらも納得度合いが妙に高いので、なんとも言えない味わいのある完結巻、それが『いこいのそどむ』2巻なのです。
 この漫画のあり様、というのは変態な人々に囲まれた猛君が大変可哀想であるなあ、なものでありまして、そう言う意味では同著者『美少女いんぱら!』と軌を一にする訳ですが、主役が女から男に変わって、そしてメインドMたる伊勢谷さんが生徒から教師に変わったことで、色々が変わると思ったらあまりに伊勢谷さんのドM完成度が高過ぎていんぱらで見た光景に! という状況になってしまっておりました。それでも考え得るドM可能性を出し尽くしてくるその様は雄々しいものがありました。よく出るよなあ。ある意味どんどんとチキンレースめいたものがありましたが、それでも最後まで走りきった訳で、成程やりおるのう。という感想などを。
 メインはドM伊勢谷さんですが、サブである盗見癖のカチヤさんと性豪の秋さんのインパクトは今回もとても大きかったです。他のキャラが増えたのでその分割りを食った感じではありますが、きちんと毎回毎回いい効き具合の山椒ぶりでありました。カチヤさんは相変わらず猛君が好きだけどちょっと好きの具合が変で良かったです。盗撮盗聴なんでもござれして猛君に迫るカチヤさんはやはり可愛いです。サンタコスビキニとか、巨乳ナースとか、色々やって気を引こうとしてるけどやっぱり基本の盗撮癖が足を引っ張ってる感じがまたいいです。一生懸命なんだけど、ちょっと方向性が変。この漫画のキャラらしさと、でも猛君が好き、という素直な部分とが合わさって素晴らしい。それと秋さんの性豪っぷりは今回も留まらなかったのです。というか秋さんはちょっと抑えられないのだろうか。いい加減老若男女食いまくり過ぎですよ、あの人。さんづけしないと駄目なくらいの食いっぷりであります。女装で性欲を抑えているという無茶設定であるにも関わらずのあの食いっぷり。男が秋さんに女を取られた、と思ったら男の方を食ってた、という事態とか流石に困惑しましたよ。どんだけ食ってるんだあなたは!
 さておき。
 個人的にこの漫画でどういう風に恋愛話になるのかしら、というのがあったんですよ。カチヤさんと猛君が結ばれたらいいなあ、でも、この漫画のメインは伊勢谷さんだしなあ。というのでどうなるか、と思ってたらのこの巻の〆でありまして、大変な急転直下でありました。つか、あのオチは予想出来たら正直尊敬しますよ! いんぱらでも弾馬先生が変態性癖に目覚めてましたけど、まさか、まさかあんな性癖に……。というのはこの巻を買うことで確認していただきたい。本当に唐突な連載エンドからこのエンドですよ。でも、この漫画らしいなあ、という感想はするっと出るものでありました。最終的に皆おかしい。それも個性さね……。と訳知り顔でこの項を閉じたいと思います。