感想 コトヤマ 『だがしかし』4巻


コトヤマ だがしかし(4)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「アニメ? そんなことよりだがしだ!」。ということでアニメ化なんてどこ吹くウィンド。相変わらずのだがしコメディを貫くのが、『だがしかし』4巻なのです。
 だがしコメディの部分はいつも通り。駄菓子ネタはいくらでも出てくるわフゥーハハハハ! というコトヤマ先生のテクが見られます。世にはここまで駄菓子があったのか! という驚きも同時に。徐々に駄菓子? というレイヤーにいる物が、チューペットとか森永キャラメルとかおやつカルパスとかが、出てきますが、それでもこれは、駄菓子なんだよ! という情熱と情熱の間=おかしい張り詰め方している辺りがこの漫画のポテンシャルを感じさせます。特に明確にこれはおやつですか? となったおやつカルパス回はほたるさんが変な精神状態で困りました。認めない派なの!? というかそもそもそういう派閥があること自体知らんですよ! というのにほたるさんは駄菓子であることを強調する辺りがおやつカルパス回の最大のゲイン。この漫画がだがしコメディであることをその無駄な力説で痛感させてくれます。いったいなんの敵と戦っているんだ、ほたるさんは。
 さておき。
 今回の大きなイベントは3巻の夏祭りの余韻の森永ラムネ回と、補習回三部作。
 森永ラムネ回はココノツ君がサヤ師とほたるさんに感じた気持ちについてもやもやする回でありました。その気持ちにもやもやするままにほたるさんの問いに答えようとするのを止めるほたるさん。待つ、だから性急には、ね? というなんか妙に大人なほたるさんでありました。止める行動が森永ラムネがん飲ませというのはどうかでしたけれど。でも、サヤ師とほたるさんとではほたるさんが先に浮かんだのは、何なんだろうか。単に偶然かも知れないし、単に印象が強かったからかもしれないけれど、でもほたるさんにはちゃんと答えを返そうと動いてたけどサヤ師にはそれほど、というのでやっぱりう色々違うんだろうなあ。
 補習三部作は補習に行く時にいつものあれな回、サヤ師がココノツ君がいなくなるんだろうか、とぞっとする回、そしてほたるさん田舎満喫(婉曲表現)回と、方向性が色々とあって面白い三部作でした。サヤ師がココノツ君がいなくなるだろうというのにぞっとするとこは良いものでした……。こういう話では必須だけど、ゆえに角が立たなくするのが難しいのを、さらっと、そしてぞくっと入れてきたのは賞賛したいところです。俺が賞賛して何になるかというかですが。でも、こういうのすっとやるのって大変ですよ。それをしっかり出してきたんだから、素晴らしいですよ、後、田舎満喫(婉曲表現)回の田舎具合が存分に表現されているのが良かったです。特に何もないところをどう表現するか、というのも遠景を多用して広さと一人ぼっちさを存分に演出しておられました。その中でほたるさんが大きく動く絵なので余計に広さを感じるというのも良いものですし、徐々に寂しくなっていくのが分かるのも良かったです。コトヤマ先生は出来る人だなー。
 とかなんとか。