感想 原作:青木潤太郎 作画:品佳直 『SMOKE&WATER 〜マルキド・サドの孫娘〜』1巻


品佳直 SMOKE&WATER 〜マルキ・ド・サドの孫娘〜 1 (コミックフラッパー)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「サドとはこう使うものだ」。ある楽器メーカーのパーティーに集った、それぞれのサド達のサドしあい。それが『SMOKE&WATER』1巻なのですと言いたい所ですが、まだそこまで話が行ってないので、たぶんそういうのになるんだろう、という予兆を感じさせるのが、『SMOKE&WATER』1巻なのです。
 先にサドしあいと書きましたが、殺し合い物というタイプながら、単純に殺し合いという方向に行きそうにないのが、この漫画。登場人物で1巻終了時に生き残っている面々が、どれもかなりのサディストの風格を持っているので、単に殺すというだけでは済まない、という先触れがあるんですよ。どう考えても、サドいことして殺し合う。つまりサドし合う。そういう物になる模様です。それがどうなっていくのか、どう言う様相を呈するのか。これがまだ不明なのでありますけれども。1巻では殺し合い、サドし合いになる関係になったばかりといった風情なのです。でも、この漫画ヤバいというアトモスフィアはしっかりとあります。この殺戮ショーの主催、題名にあるマルキド・サドの孫娘の嬉々として人を殺していくその表情に、こいつ、ヤバい! が十全に含まれています。主催がそんななので、集められたサディストも当然ヤバい。それが殺し合い、サドし合いの巷に解き放たれたら? それを更に狂った人を投入して煽ったら? 今後の展開が血みどろになる、残酷無残になるのは火を見るよりも明らかです。それがどう描かれるか。どうヤバくなるのか。その一点がこの漫画の注目点として一番でかいのであります。
 そのヤバさは、主催のヤバい笑顔もそうですが、そのヤバい思考と行動にもきっちり表れています。象徴的な台詞がこれでしょうか。

親しくもなければ鑑賞すべき特技もない そんな人間を『楽しむ』方法なんて
 これもうどう考えたって
殺したり虐めたりするのが一番よ

 主催のこの言葉のグロさと、しかし嬉々として語るその姿は中々印象がお強い。そして、それが人がぐちゃぐちゃに死んでいるド真ん中で、されている。このヤバさ。更に、人を半だるまにして、へそに色々ぶっ込む(婉曲表現)とか、ヤバい。まったくもって堪らぬものがあります。そして、それと対照的にちょっとしたサディスト、粋がっている程度の人もいるんですが、そのくびり殺され方があまりにも残酷無残で、逆にここで死んで良かったんじゃねえか。とすら思えるくらい今後ヤバそうです。というかヤバそうとしか書いてませんが、本当にヤバいんですよ。強姦殺人鬼のやりがいがある相手を見ての、6回おかせる! とか本当に。こいつ頭おかしい! ってのがきっちり出ているので、そいつもどうなるのか。全体的にヤバいので本当に期待大ですよ。