『まんがタイムきららミラク』2016年8月号 感想

今号の巻頭漫画感想

はりかも『うらら迷路帖

 椿先生、初めての授業! の前に、学級委員決めましょうという回。その中できっちりと臣さんと椿先生のキャラクター立てをこなす辺りが巧みですし、ちゃんと占いの授業にもなっている回として立ち上がっているので、はりかも先生の技量を感じざるを得ない回でありました。紺さんと臣さんが優等生ポジで、臣さんはそれ程でもないけど紺さんがちょっとライバル視しているのとか、椿先生のこういうのにむきになるのもちょっとだから、それ程押し出しの強くないノノさんに学級委員を、というのとか、色んな今までにない要素がぶっこまれているのも面白い所。ノノさんがこれで押しだしが弱いままなのか。それとも新たな側面が生まれるのか。紺さんと臣さんはライバル関係でバチバチするのか。中々楽しい要素ですが、どうなるやら。

個別チェック三連撃

川井マコト幸腹グラフィティ

 受験寸前から受験にまで。ある意味ではここがこの漫画の正念場というか、これ以上だらだら続けるのか、ピシャっと終わるのか、ピシャっと続くのか、とにかく正念場です。二度言うくらいです。個人的にはピシャっと終わってほしいんですが、続けられるんならそれも見てみたいはあります。それはさておき、今回のベストは2ページ目右の4コマ目のぷくりきりんと、「秋からしっかり毎日夜食」の語感の良さでしょうか。つい口に出していいたいくなりますよね、「秋からしっかり毎日夜食」。感情面、心理面も大変いい話なんですが、あの語感に惑わされてしまうくらいに、いい語感ですよ。「秋からしっかり毎日夜食」。

そと『ラストピア』

 グダグダな感じのお祭りの話。特に強く何かが励起する、立ち上がるって事はないんだけど、なんだか滋味にいいんですよね、この漫画。ちょっとしたことが積み重なって、綺麗な形を組みあげていると言うか。特に今回は最後のページの使い方が非常に良いもので、何気ないんだけど、効果的であります。そと先生の漫画は派手さはないんだけど妙に心に残留するものがありますよ。この漫画の一つ不思議がありつつ、でも基本は交流してく話。何かあるんだけど、あまり強調はしない。でも何かある。それがなんだかいい塩梅になっているのだなあ、とかなんとか。

村上メイシ『小学生もゆるくない。』

 くま子さん、フルーレティという真名がある、というのでありましたが、えと、結構高位の悪魔じゃなかったですかね、フルーレティ。そんなのが、何故悪魔としての力を失って? そう言うの出来る、って相当卓越した何か、魔法とか、でないと出来なさそうなんですが、どういう薬なんだろうか、あれ。というかそう言う話になっていくの? と一瞬思って、そんな訳ないか。と斜線を引いてしまいました。そういう漫画じゃねーからこれ!

今号の巻末漫画感想

みやこ『全裸.zip』

 最終回(ミラク誌において)ということで、木内さんが色々はっちゃける回でありました。最終的に戦車を服とすれば最強ではないか。という最強に頭の悪い発想になってて笑いましたよ。一般社会では相当の強さだけど、脱げない=降りられないのは単に弱点にしかならないですからね。それで店に入ったら全裸込みで捕まるし。

一応の総評

 最近はゲスト攻勢がなくなり、とりあえず連載してみよう。という流れになっている感のあるミラク。下手な鉄砲数撃ちゃ、に並んで欲しい所ですが、その影響なのか『かんきつパンチ!』が次回最終回。『全裸.zip』も最終回。後半にある作品も終わりに近付いているアトモスフィア。結構ドラスティックに入れ替わりそうですが、果たしてこの流れが吉と出るか凶と出るか。