感想 柳田史太 『トモちゃんは女の子!』3巻


柳田史太 トモちゃんは女の子! 3
(画像、文章のリンク共にamazon物理書籍のページ)

 大体の内容「トモちゃんはこんなに女の子だというのに(CV若本規夫)」。トモさんはジュンとはやはりまだまだ時間がかかりそうです。依然変わりなくッ!! というのが、『トモちゃんは女の子!』3巻の大体の内容なのです。
 この漫画についてもうちょっとまとめますと、ちょっとボーイッシュで気風のいい相沢智さん(以後トモさん)が好きな殿方久保田淳一郎(以後ジュン)にモーションかけたいけどそんなの無理! 今の関係で精一杯! という状況でわちゃわちゃするラブコメであります。ここで当然励起するのがジュンの方はトモさんに対してどうなのか、というのですが、これが今回の巻でかなり肉薄されます。三つもされます。
 肉薄の一つ目がジュンがトモさんと俺の家でゲームしようぜ! 泊りで! というトモさんのみならず読者側も「なっ!?」というのをしかけてくること。ジュンお前、男が女を言えに呼ぶってどういうことか、分かっているのか!? と読者側のみならずトモさんの友達回りも騒然とするんですが、しかしそのようなことは、猥雑は一切ない! という。折角ジュンの親御さんも気を利かせて家を空けるというのをしているのに、ジュンときたら。なんですが、端々でやはりトモさんのことを意識している、という己を黙らせる行動を取っていて、それだけやっていて意識していないと己を騙し続けている理由が欲しいレベルであります。そこについては、肉薄三つめで少し解明されますが。
 肉薄の二つ目は、夏で皆薄着になって色々と、そう、色々と透ける季節の到来だ! ということで皆透けてて恥ずかしくないのか、とトモさんは純なので思ってしまっていますが、その本人はスポーツインナーを透け透けだぜ! しているという。これにジュンが反応しちゃう、んだけど何とか乗り越えるという、また訳の分からない展開に。トモさんの親友の群堂さん(腹黒)辺りは、その辺を気付いていて、あえてトモさんにそれの是正をしないという小悪魔行動もしていたりしますが、でもジュンは何とか乗り越えます。なんなんだ、お前のその向上心。
 さておき、肉薄の三つめが、群堂さん(腹黒)とキャロルさん(天然)がトモさんを女装させる、というちょっと待て、という行動に出て、そのままのトモさんが外に出たらジュンと出会って、という展開。ここで、ジュンはその人がトモさんであると色々あって気付かないんですが、それ故に色々話をして色々ぽろっと話してしまう、けどトモさんはわりとはてな? という形になってしまいます。そこで、ジュンとしてはトモさんはぶっ倒すのが当面の目的、という謎の使命感というか思いこみというか、とにかく何か背後にあるんだけど、なんだそれ、というのが分かったりします。これが一つ、己を騙している理由なんでしょうが、なんか過去にあったんでしょうかね、これは。トモさんがあずかり知らぬところで、なんかあったんだろうか、と邪推せざるをえません。本当に、一体何がジュンをそうさせるんでしょうか。
 さておき。
 そんなトモさんとジュンの間柄以外にも、トモさん、群堂さん(腹黒)、キャロルさん(天然)の関係が深まって行っているのが地味に良いものであります。今回はいきなりキャロルさん(天然)の家に遊びに行く事になる回がありますが、キャロルさん(天然)のお母様も(天然)で、しかしキャロルさん(天然)と同様に偶に妙に鋭い、というか鋭すぎるので群堂さん(腹黒)が強烈に苦手意識を持ってしまったのがとても良かったです。わりと強キャラな群堂さん(腹黒)でも、対処できない相手というのは、なんかいいですね。ヒエラルキーが変動するというのはかくもいいものなのか。そんな考えに至ったり。
 ということでまとめますと、ジュンはいい加減腹くくれ! でいいかと思います。腹くくって今の状況を維持しているのかもしらんですが、そこまでする何かが、やっぱりあるんでしょうかねえ。ということで。