感想 あfろ 『ゆるキャン△』2巻


あfろ ゆるキャン△ 2巻
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「ゆるゆるまったりキャンプ遊び」。ゆるゆるキャンプするだけで、とりたてて何か起こる訳ではない。だからこそだろうが! とコミックマスターJ面になるくらい、特になんもなく、キャンプをするだけの漫画。それが『ゆるキャン△』2巻なのです。
 何もない系というと、細かい機微の話をしていくのが常道なので、すが、そこもかなり微細なものなので、油断するとするっと見逃してしまいがちです。というわけで気をつけてみていけば、リンさんとなでしこさんの間柄というのが、本当に滋味深いものがあります。まだ特段に交友が深い訳ではないのに妙に馬のあっている二人でありまして、その細かい所が非常にいいものであるなあ、と。リンさんがなでしこさんにお土産を、のシチュエーションは大変よいです。あんまり接点がないから、お土産どうしたものか、と考えたり、こうなるなら生菓子じゃなくクッキーのが、とか考えちゃうリンさんがいいんですよ。そして前のキャンプでお互いに写真を送りあったのを思い出したりするとか、このまだ深い訳ではないけど、でも結構重要な間柄、というのをここで描写されたらもう堪らんですよ。
 さておき。
 この漫画の特段の無さ、というのが際立っているのは、この巻ではリンさんが原付でキャンプ場(高ボッチ高原)に向かう辺りを、何かある訳ではないけどその道中をトローンと垂れ流している件。ただ移動している、というのですぐに終わってもいい所を、ページにして3ページくらいつらつらと描かれるというのがまたなんとも趣深い。そこで見える景色は冬だからそれ程いい物が見える訳でもない、けど雲間に出てきたちょっとした光景がちゃんと輝いて見えて、というのが良いのです。ここでリンさん以外がいたらまた違う雰囲気になるんでしょうけれども、そこはボッチで来ているリンさんなので、変な横やりは入らない。だから妙に、ダイレクトにその風景が特別なんだなあ、と思わされます。この辺がこの漫画の何もないがある所以かもしれません。
 さておき。
 個人的にぐっとくるところがあったのは、リンさんが携帯型焚き火グリルで焼き肉しようぜ。となった辺り。の、キャンプのBBQ季節から外れているから、焼き肉用がカルビくらいしかない、というので「マイノリティ殺し」と絶望するリンさんが良かったです。普通に閑散期キャンプ好きっていうのはそういう業も背負わなければならないのか……。ってなりました。なでしこさんが色々フォローして事無きを得てましたけれども。こういう部分でもいい関係だよなあ、リンなで。
 とかなんとか。