感想 櫻井エネルギー 『櫻井超エネルギー』


櫻井エネルギー 櫻井超エネルギー

(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「エネルギー転換率、1000%超!」。ということで、前作『櫻井大エネルギー』(感想)からしばらく経ってからの二度寝の短編集にして未知のミチミチエネルギー満載! それが『櫻井超エネルギー』なのです。
 結論から先に言うと、『櫻井大エネルギー』よりは結構穏当になっています。これで穏当というのだから『大』はどれだけ無茶してたか分かろうものですが、とはいえ全体的に秘めるパワーはこちらの方が上。エネルギーが高アベレージだからこそ出来るテンション高めのバンアレン帯おおたわけが、この漫画の持ち味としてしっかり通じております。ついでに、『超』では前提を同じくする、つまり連作が大半を占めており、その分が個々のパワを高めに維持しつつ、ぶち狂うのを防いだ、という形になっているかと思います。という前置きはこれくらいにして、いくつか作品をピックアップ! してみたいと思います。

戦えゼニゲバ部〜ビギナーズラックで一儲け編〜

 序盤のゼニゲバ部三部作の、一発目。ビギナーズラックで金を、という駄目さ爆裂の発案もさることながら、その軍資金が今もあるのか、と思うブルセラからの資金投入という、こいつら駄目だー! というのがとても感じられる一作でした。連作群の中ではこれが一番好きですね。パチンコに金を入れるのが、シュレッダーに入れているようだ・・・っ。というのがシュレッダーにかけている絵なのでその身の切られ方が切実に伝わってくるのはいいですね? あと、今時のパチンコって一攫千金に向いてないので、ある意味彼女らの行動は徒労なんですが、そこを含めてどうしようもない。というのが溢れていたかと思います。

モモジロ飯

 玉将、いただきます! というお話。酔ってくると天使と悪魔が漫才を始める、はいいんですが、ラーメン食いてえ!から家にあるものをぶち込んでスープを、作ろう! とするDIY思考になって……。という内容。食べて飲んで訳の分からない行動をするだけなんですが、いい感じに脳が酔っているから正常な手段を思いつかない辺りが大変この漫画らしいです。正常な思考でもどうなっていたんだろうか、とは思いますが。原付くらい動かせるカロリー、確かにとってるからなあ。酔う前からあれ、なので平均してあたまおかしい人なんだろうなあ。

おつゆと新番組

 新戦隊もの作れよおらー! という話シリーズ。こちらが一番ぶっ飛んでました。
 というのもただただ、木レンジャーがやばい。基本動けないように見えて、蔦を絡めて引き寄せ、近づいてきた相手を体に吸収するという技で倒していく、というキチ○イが過ぎます! な内容。そして今まで倒した怪人が、体表に浮き出て、ってジンメンか! 『デビルマン』の! というか、そのトラウマ感は子供が見たら100%記憶に残ってしまうので止めてあげてください。まだ鉄レンジャーのがましだよ! となって弱点のさびを金属を合金にすることでどうにかする、ということを考えつく辺りは、敏腕になれるよ! って感じでありました。狂気から入って収まりよく終わった、という感じで、この『超』では一番うまくまとまっている回でありました。

さておき。

 作風的に一本気、一つの内容をずっとこねるの苦手なのかもなあ、と勝手に思っていますが、いつかしっかり一本のモノを作ってくれたら、たぶんおかしいことになるな……。と期待して、この項を閉じたいと思います。