今月の『初情事まであと1時間』感想文 第一回(2016年10月号)

説明

 コミックフラッパー掲載のノッツ『初情事まであと1時間』の感想を書いていくコーナーです。
 先にこの漫画の基礎情報を書いておきますと、お互い初情事、という場面の一時間前から直前までを描くというお話です。当然、濡れ場や猥雑は一切ない! と思って頂こうッ! な内容なので一般誌でも安心です。正直にインパクト一発勝負になりそうな漫画ですが、果たしてどうなっていくのか。興味は尽きないところですが、それはさておき。
 それではいってみましょう。

CASE1『勇人と葵の場合』

 高校生男女の初々しい初情事。その一時間前から。家に誰もいないからシチュエーションという実際にあるのか! から始まる話ですが、勇人君側がかっこいいを目指して色々しようと画策していたものの、葵さんの家人の電話で台無しに。その上、葵さんが大切に育てられたのを知って、こんな邪な……ってなって泣いちゃうというのだからかっこいいから離れすぎるにもほどがあります。かっこいいを求めるのは男の子だからしょうがないんですから、気持ちが分かるし、電話の話のせいで大金時殿が低めに推移するのもしょうがない。
 でも、そこをきっちり、ちゃんと想っていてくれているんだ、と葵さんがフォローして、というのが良かったです。ちゃんと男爵も元通りになったしね! それによってこの二人は色々あっても上手くいくだろうな。そういう感想をするっと持てる、初手として大変いい回であったかと思います。

CASE2『勇者アレスと魔法使いベラの場合』

 いきなり飛び道具だー!? ということで、ファンタジー世界で勇者と魔法使いが過酷な状況の中、結ばれる話。どうも話からするといい方向に転びそうになく、悲壮な場面の中での初情事ですが、二人が想いあっているのだけが、ただ救いであるような、そんな展開でありました。とはいえ、魔法使いの人が魔族と人間のハーフというきつい生い立ちだけど、助けてくれた勇者をずっと想って、というのから結ばれて子供が出来る、勇者と魔族の子という明らかにその世界にとって異常な存在が出来る、それくらい愛し合いましょう。というは、シチュ的に相当エロスだよなあ、とか思いました。使える。←何に