感想 jin 『残念女幹部ブラックジェネラルさん』2巻


jin 残念女幹部ブラックジェネラルさん(2)【電子特別版】<残念女幹部ブラックジェネラルさん> (ドラゴンコミックスエイジ)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「キャラが増えた! でもブラックジェネラルさんは残念です」。ヒーロー、ヴィラン、共にキャラクターが増えてきて、一回単位のブラックジェネラルさんの残念具合が減少傾向なのは切ないですが、でも出てくると力強い残念を見せてくれる。それが『残念女幹部ブラックジェネラルさん』2巻なのです。
 今回もブラジェネさんは残念です。今回の巻開幕の盗撮映像回でのお風呂シーンからして、ブレイブマンフィギアを使って遊んでいたりするという、この人、何歳……? というところから始まっており、最初からこれ……とある種の戦慄をぶち込んでくれます。
 そんな今回のブラジェネさんの特段のハイライトは三か所。ブレイブマンに見習いのヒーロー(女)がついて、殺る、となるところと、ブレイブマンに取材がきてアナウンサー(女)がいて、殺る、となるところと、どう考えても不可能な正義のヒーローと悪のヴィランの両立を考えてヒーロー養成所に行くところです。一つずつ見ていきマショウ。
 見習いヒーロー、オーネストレートがブレイブマンの所に研修としてきた、という回では、脳内会議によって、正義ヒロインがいたら、悪のヴィランではその属性に太刀打ちできない! と判断。殺る方向で突撃します。そして撃退します。確かに、正義ヒロインがいたらそれが正妻ルートに入るのは確定的に明らかなので、そう動くのもやんぬるかな、であります。というか、自分がそういうの出たらルートに入れないというのが分かっている、というのが個人的には驚きでした。わりとガチで考えているんだな、とでも言いましょうか。
 アナウンサーが、の回も脳内会議が空転して、アナウンサーといったら付き合う、みたいな方程式を勝手に作り上げてやっぱり殺る展開にもっていこうとしていたのが印象的でした。アナウンサーに対して偏見があり過ぎる気もしますが、ブラジェネさんなのでそれはどうしようもないですね。ブラジェネさんだからね。
 ヒーロー養成所に行く話は、都合二話ありますが、その一話目の筆記試験の解答が、でもそれはある意味正しい判断なのかも、という錯覚を覚えさせるくらい無茶な解答でありました。ジェットコースター乗り場にお婆さんがいる。→お前のような絶叫系に乗る婆がいるか。とか、立てこもり事件の建物に火を放つ、とか。言っていることに一瞬だけ納得が出来てしまうような、そんな無茶解答していて、試験官じゃないけど「何か凄いの来ちゃったな今回……」案件でありました。これで通れると思ったブラジェネさんの思考回路はどうなっているのか。というか、筆記これでも実技良かったから通すヒーローの方もどうなのか。
 さておき。
 今回はRX団の女性陣、ブラジェネさん含むが百花繚乱というか、いい所が多かったですね。特に秘書さんのメイド服姿と、博士さんの裸での応対がどちらもどちらの意味でもごちそうさまでした。対する男性陣の方はいまいちぱっとしなかったですけれども。首領が特にぱっとしませんが、前に力を見せたので、その分オチというか、爆発要員として便利に使われている感じ、とでも言いましょうか。あれが無かったら、威厳ゼロだから爆発要員になってもあんまり、だと思うと、そういう威厳を出す回というのは重要だなあ、となんだか変な所を納得するのでありました。
 さておき。
 キャラクターも増えて、RX団も何故か当局にマークされるレベルに、実際はそんなでもないんだけど、になっている中で、ブラジェネさんの想いはブレイブマンに届くのか。絶対ないに1ペソ賭けて、この項を閉じたいと思います。