今月の『初情事まであと1時間』感想文 第二回(2016年11月号)

説明

 コミックフラッパー掲載のノッツ『初情事まであと1時間』の感想を書いていくコーナーです。
 先にこの漫画の基礎情報を書いておきますと、お互い初情事、という場面の一時間前から直前までを描くというお話です。当然、濡れ場や猥雑は一切ない! と思って頂こうッ! な内容なので一般誌でも安心です。正直にインパクト一発勝負になりそうな漫画ですが、果たしてどうなっていくのか。興味は尽きないところですが、それはさておき。
 それではいってみましょう。

CASE3「シンちゃんとミーコの場合」

 今回は、大学生まで一緒の幼馴染との駆け引きの話。夕食時間にじりじりと、でもダイレクトに迫っていくミーコさん。それに対してシンちゃんさんは……。
 こういう時に男ってやつぁ、踏み込めんもんだなあ、という印象のある話でした。二人とも、お互いを憎からず、というのは初手から感じられますが、そこから踏み込めまないシンちゃんに対して踏み込むミーコさん、というのを、オムライスに書かれたFRIENDとLOVEで表すのはちょっと変な面白さがありました。でも、ちゃんときっちりと意味を持たせているから面白い。いや、それもまた変な面白さですが。
 そういう中ながらも、短い時間で気持ちの進展というのはきっちり描かれていました。ここで押すしかない、というミーコさんの気持ちはとても理解しやすいものですが、シンちゃんの怖じ気づきもまた理解出来る。でもだからこそ押し通れなかった時代を、ここで乗り越える! というのはミーコさんの強さだなあ、と。そういう意味では幼馴染物としてかなりレベルの高い仕上がりだったかと。いやあ、いいもの見たな。