感想 宮原るり 『恋愛ラボ』12巻


宮原るり 恋愛ラボ 12巻
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「こくったー!」。ということでこくったー! 事案連発の『恋愛ラボ』12巻なのです。
 合同文化祭も開幕し、そしてあちらこちらでラブの空気が蔓延しております。今まで励起しつつも微妙なラインで、駆け引きでもなく一進二退な感じでどこに行っているんだな案件だったのが、この巻で色々大きく動きます。本当なんです。本当なんですよ! あれでも進んでいるんです! と言いたくなる部分もあったりはしますが、とにかく進展があったのです。
 今回一番進展があったのは、当然のようにリコさんです。とうとうナギの逆鱗だった過去の、劇に出て可愛かったのでそう言ったら、というのを謝り、きちんと、勢いつき過ぎではありましたが告白をしましたよ。ええ、あれは告白ですよ。ええ。ええ。
 という弱り顔はさておき、そちらの方は今後一気に進展していくようで、まだ時間かかるかもな……。という部分でもあります。それは進んだとはいえという言葉が付く他の娘さんたちも同じこと。
 マキさんは自分がヤンのことが好きなのか、ということにやっとのこと気づいた段階。今まであれだけ運命の人ロールしてたヤンの存在をそういうものだとは、というのがマキさんらしいというか、恋に恋し過ぎてこじらしただけのことはあるなと。むしろ今まで気づいてなかったのかよ! 案件であります。
 エノさんの方はトダ君へだいぶ気持ちが伝わった格好ですが、どちらもこういうのに慣れてないのが良く分かってほほえましいやりとりをしておられます。天然で恋の駆け引きを、というまた新たな引き出しが開かれたのには笑います。わりと速攻片が付くかと思ったトダエノが、事ここに至って一番混迷を深めているのが趣深いです。
 スズさんは、まだ恋心というのが良く分かってないというか、レンが好きだというのが具体的に分かっていない状態で、しかし、レンがマキさんに、とか言い出すと「いや」とか言い出したので、恋心に気づくのはそう遠くなさそうです。というか、スズさんがあんなにいうとはなあ。恋は人を変えるですな。色んな意味で。
 サヨさんの方は、今回の裏トピックであります。今まで彼氏なのかどうなのか、というのがあいまいなままだった自称彼氏さんの、自称がとれました。つまり、サヨさんが今彼と認めちゃったのです。ここはあんまりでかい見せ方じゃないんですが、サヨさんファンの自分としてはリコさんの告白よりぐっときちゃいました。その後今彼が結構調子乗りしてましたが、まあ彼はそれくらいする権利はある。今までが今までだったし。
 ということで、みんなの恋愛が少し、でも決定的に動き出した巻でありました。でも、これどこまで行くんだろうか。そしてどれくらい時間がかかるんだろうか。好きだから付いて行くけれども。