感想 あfろ 『ゆるキャン△』3巻


ゆるキャン△ 3巻 (まんがタイムKRコミックス)

(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「アウトドアショップとリンさんの一人キャンプとその歩み寄り」。今回の巻での大半の内容はリンさんの一人キャンプですが、そこになでしこちゃんサイドの話があり、そことSNSでリンさんサイドが連結される、と言う形を取っております。なので入れ代わり立ち代わりながらも混乱なく見れる、というナイステクが使われているので覚えておくといいだろう。
 という訳の分からない目線はさておき、大体の内容のように、今回はリンさんの一人キャンプが主な内容です。もっと言うと、一人キャンプする為の場所に到達するまでが内容の大半です。もうこの段階で3巻が今までの中でもマストなのが分かっていただけると思います。旅行の道筋を長すぎずとはいえ端折り過ぎず、描くべきところを描いていくスタイルでそれは行われますが、その長い尺を使っていい、となったあfろてんてーの、ただの旅のぐだぐだをしっかり魅せる手管が素晴らしくなっておるのです。この道使えばショートカットじゃん→冬はいけませでした! とか、結構じっくりやられます。普通なら省略されそうな場面をがっつりと描いて、それゆえの旅情を生む出す。この手管! それが先に書いたなでしこちゃんたちとのSNSでのやり取りとも相まって、ひとつ今時のものとしてきちりとも立ち上がっているのです。この手管!
 手管はさておき、今回の注目ポイントは、やはりリンさんが野クルと一緒にキャンプしようか、と少し歩み寄ったことでしょう。なでしこちゃんとはしてもいいか、という謎の線引きが既にされていますが、野クルのメンバーとはなあ、であったリンさん。しかし、今回リンさんがピンチ、ここもしかして行き止まり!? 今から引き返してももう夜もとっぷり! というピンチを助けられたのもあって、気持ちに変化が生まれた模様です。とはいえ、最初はやっぱりいいかな、立ったりする辺りがリンさんのぼっち癖という感じでしょうか。
 さておき。
 リンさん一人旅より断然尺が短いですが、野クルメンバーでアウトドアショップに行く回も中々に良いモノでした。基本、アウトドアショップにいかないクラスタな私としては、その内容は全て白眉。ランプとか、下に敷くシートの種類に色々あるんだ、というのが大変興味深かったです。この辺は、同じ目線ななでしこちゃんがいるから余計にどこを見るか、というのが初心者目線だったように感じます。基本、アウトドアショップに行かない層ですよね、きらら読者と言うと。だからこその視点だったのかなあ、とも。この辺を手ぬかりなくやるのもこの漫画の良い点だと思います。
 さておき。
 今回の巻では、ニコニコ静画内のきららベースでやっていた『へやキャン△』が収録されています。『ゆるキャン△』ではあまりあfろ的、ヘンテコなギャグは少ないですが、こちらは2P漫画なのでわりと旺盛にぶち込まれています。ダウンジャケット侍とかわりと訳が分からなくて最高です。侍がダウンジャケットを着て、切られたら羽毛が飛んで目くらまし、という突っ込みどころしかない内容の一篇です。きららベース内で読んだときから意味不明な『へやキャン△』でしたが、こうやってまとめられると中々に意味が分かりません。よくこんなの週刊で続けてたよなあ。
 ということで、リンさんが歩み寄ってさてどうなる、という4巻への流れと、最後の『へやキャン△』の小気味いい連打が良い、3巻でありました。