今月のノッツ『初情事まであと1時間』感想文 第6回(2017年3月号)

説明

 コミックフラッパー掲載のノッツ『初情事まであと1時間』の感想を書いていくコーナーです。
 先にこの漫画の基礎情報を書いておきますと、お互い初情事、という場面の一時間前から直前までを描くというお話です。当然、濡れ場や猥雑は一切ない! と思って頂こうッ! な内容なので一般誌でも安心です。正直にインパクト一発勝負になりそうな漫画ですが、果たしてどうなっていくのか。興味は尽きないところですが、それはさておき。
 それではいってみましょう。

CASE8『ネディナ姫とキリク王子の場合』

 割れ鍋にとじ蓋!
 今回は政略結婚というフィクションではわりとよくある話であります。ただ、そのネディナ姫の方が色々と政策や経済などに精通している、というので、でも実家の方ではそんな姫らしくないことは、と言われていたという稀によくある展開。しかし、そのことについてキリク王子はむしろ食いついてくる、というので会って間もないというのにお互いが欠け難くなっていく、という良い話でありました。まさに割れ鍋にとじ蓋!
 なので、特に跳んだ話ではないんですが、それゆえに丁寧に話を展開されていまして、偶に変な方向に振れるこの漫画にしては落ち着いた内容でありました。ネディナ姫に色々と知識がある、というのもそつなく出ていましたし、キリク王子が食いついていくけど、でもすぐに抱くのも、ってなる紳士っぷりも納得できるものでした。それを好ましく思って、惹かれ合うのもまたいい。ここまで安定した話出来るんだなあ。いやあ、この漫画変なことになるのもいいけど、こういうベタなのもいけますなあ。