『まんがタイムきららミラク』2017年7月号 感想

今号の巻頭漫画感想

はりかも『うらら迷路帖

里帰り後半戦! ということで今度は紺さんの実家にして臣さんの入塾していた場所、巽屋に赴く五人娘。そこで紺さんの母、時江さんに水晶占いの手ほどきを、という回でありました。
基本的に鬼教官だった時江さんの鬼モードが、賭場の壺振りめいたもろ肌脱いでのさらしでの木刀での、というので最初の柔和な感じから一変し過ぎてむしろ惚れるレベルでした。それにかっこいい、という紺さんもだいぶ慣れているんだなあ、とか。いや、かっこよかったですけど! その後の紺さんがそんなに水晶占い好きじゃなかった、とか言われて軽く凹んでるのも含めて大変良い物でした。
後、千矢さんがわりと本気で悩んでいるのと、それに付随するのか夜に時江さんの寝所に千矢さんが、というので地味にシリアスなところもある回でした。特に千矢さんの悩んでいる、というのが結構深刻な内容で、でも本人はいつもの調子、というので余計にこれは結構根深いぞ!? ってなってしまいましたよ。これは次回が結構シリアスるのかしら? ということでドキドキして待ちましょう。

個別チェック三連撃

タチ『桜Trick

とうとう、この時が来ましたね。優さんが春香さんに好きの内実を問う回が! いつかはこの話、つまり春香さんの好きと優さんの好きがどういうものなのか、どう認識が違っているのか、というのが浮き彫りになる話というのがいつかは来る、と読者は皆身構えていたのです。いたのですが、そんな覚悟なんてまさしく紙装甲。あっさりと突き破られます。それは唐突だからではありません。逆です。周到にそこへ至るまでの準備を行っていたからです。春香さんが優さんにくっついていく思考で進路を決めてしまったり、それに対して優さんが澄さんや他の人の言動でそれはいけない、と思ったり。それが積み重なり、今回の一点へ、優さんの好きと春香さんの好きの違いの陥穽へと向かっていきます。単なるキス友じゃないよ、という優さんの言葉に、春香さんはどう答えていくことになるんでしょうか。やはり、タチ先生は全く恐ろしいお人ですぜ……。

あfろ『mono』

祝連載! ということで、今回は前回で知り合った駄菓子屋の漫画家さんの基本が提示されつつ、霧山さんたちがアクションカムで色々やる回となりました。読み切りでは語られなかった部分の埋め草、そしてこの漫画がどこへ行くのかというのが仄見える回であったかと思います。霧山さんたちとハルさんのケミストリーが発揮されていくのかしら? という状況でありますが、果たしてそれで面白いのかどうか。いや、ハルさんの漫画の方がですよ? あfろ漫画としてのではないですよ?
しかし、この漫画はあfろ漫画。方向性としては『ゆるキャン△』に近しいですが、偶に出る絵面のヘンテコ具合は流石の仕上がり。さっちゃんさんがいきなり壁向いてなにしてるんです! とかの絵の強さは流石の仕上がりですよ。そういう単発の一コマのパワー、というのがギャグ向きなのがあfろ漫画の肝と言えましょう。この回の最後のコマの皆の表情の引き具合も良かったです。相当えぐいのが撮れたんやね……。

ちろり『お願い!ロイヤルニート

鍛えなくちゃ! と言う回でした。あまりにニート生活が長かったせいで色々鈍り過ぎていた桜花さんが、今、VRで訓練する! というので流石金持ちという内容でありました。結果? 推して知れ!
にしても、桜花さんとほたるさんの絆ドライブが確実に積み重なっていっていて大変良いものかと思います。特訓の成果はむしろそっちであったかと。的確なフォロー(に見えているようなもの)の的確さに、そりゃ怠惰さんもきゅんとするわ。美しい主従愛ですよ! 問題はそういうことをする為にほたるさんがロイヤルニート接触している訳ではないことですけどね! その辺をほたるさんも忘れている感がありますヨネ。

今号の巻末漫画感想

上下『魔王城のお姫様』

ピクニック行こうぜ! と言う回。メルルさんが相変わらず傍若無人のアーパーです。勝手にピンチになってしまいますよ。なんかそういうの多い気がするな、メルルさん。
とはいえ、今回はほぼ己のせいではなく、偶然が重なってのピンチではありました。揺れたせいでスープがこぼれて、そのせいで雪山に落ちて、でしたし。雪山で遭難! に対して無謀という名の行動力で突破する辺りはメルルさんらしいと言えますけれど、運が悪いと本当に死んでしまうので、そろそろその辺を自覚すべきではないかと思います。魔王城にいるせいでその辺がやっぱり匙加減おかしなってる気がしますよ。後、ジーナさんもメルルさんの無謀に慣れてきていてちょっと油断があったかなあ、とも。今回はほぼ氷漬けでしたしね……。

一応の総評

今回は、とりあえずタチ『桜Trick』のターニングポイント、それも最後の、というのが個人的に印象に残り過ぎております。この漫画の最終ラインに到達が間近なんだな、と理解できる内容でした。つまり、ミラク最初期からの連載が終わろうとしているということでもありまして、その間に色んなことがあったなあ、と達観の構えにもなろうものです。今でも、ミラクは大変バランスのいい雑誌であるという構えを崩さないワタクシですが、それも何年も経ったがゆえにかなり様相は変わっています。あfろせんせが得意のヘンテコなネタを混ぜてこないとか、市倉とかげ『まちとびカルテット』が連載化するとか、知梨『あじさい*プラネット』が次回で最終回だったりとか、今月号だけでも色々あります。そういう中にあって、『桜Trick』がきっちりと終わるなら、それで満足、したぜ……。という満足顔で送ってあげたいと思うところであります。まだ最終回じゃないのに気が早い? それだけでかい出来事なんだよ!
とかなんとか。