ネタバレ感想 あfろ 『ゆるキャン△』4巻


ゆるキャン△ 4巻 (まんがタイムKRコミックス)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

大体の内容「いざ、クリスマスキャンプ!」。高級肉ッ!食わずにはいられないッ!! ということで、クリスマスにキャンプするのに幸先のいい肉入手が判明して、その肉を食うのがメインなようなキャンプをするのが、『ゆるキャン△』4巻なのです。
今回の巻は本当にクリスマスキャンプをするだけという内容なのですが、それでも平板ではなくテンポよく楽しめるのがこの漫画の非凡なところです。基本はダラダラとさえ言えるゆるっとした雰囲気ですが、所々で景色の描写や朝日が昇るところなどを差し挟むことで、しゅっと締まる内容になっています。この辺りのタイミングの上手さは特筆に値しますが、でもやっぱりゆったりしたペースのキャンプパートの味わいがあってこそ、という評価をしたいと思ったりもします。それくらい、ゆったりしたキャンプパートの流れが素晴らしいのです。
しかし、流れがどう素晴らしいのか、と問われると、わりと返答が難しいのがこの漫画の持ち味。それでもあえて言うなら、ペース配分が絶妙というのが、一つ解となると思います。この漫画は、登場人物たちがわちゃわちゃするターンが主ですが、途中で特に何もない風景の描写、あるいは間のように移動中の風景などを描く時があります。この時生まれる間こそ、この漫画のテンポを下支えしているということが出来るのでは? とかなんとか。この独特の間が、この漫画のその場所感、そこにある感じを出していると思うんですよ!
という妄言はさておき。
先にも書きましたが、この巻はほぼクリスマスキャンプ一色。全てがそこに流れていくように配置されています。肉が手に入るのも、リンさんが野クルに合流するのも、野クルに顧問の先生が出来るのも、そしてその先生が以前に出会ったのんべえお姉さんだったことも、全てこのクリスマスキャンプへと収斂するのです。ある意味においてはそんなに一点に集中しなくても、とも思いますが、集中するがゆえに綺麗に決まった訳で、こういう手管も出来るお人だったか、あfろ先生は! と謎の驚愕などしてしまうのでした。
このクリスマスキャンプは、そういう色々が収斂しているのですが、でも実際読むとそこは重要じゃないと分かったりもします。重要なのは、親交を深める事なのです! という猛った言葉がするっとでてくるくらい、野クルとリンさん勢力と先生とが一団として成立していくのです。先生は飲んで食ってしてただけの気もしますし、面々も大体何か食っていただけの気もしますが、食は人を繋ぐんですよ! という謎ワードで軽く乗り切りたいと思います。
さておき。
この漫画を読んでいると、キャンプに対するうぇーいwwwなイメージが塗り替わるのが毎度楽しいのですが、今回の巻もその例にもれません。キャンプの朝の綺麗さとは、なんて素晴らしいんだ! と某鳴滝さん台詞が出るくらい、綺麗と言う印象をもったりします。そういう朝がある、というのが妙に心に来たんですよ。キャンプ場ゆえに周りが広いから生まれるイメージとでも言いましょうか。こういうシーンに出会えるなら、そりゃキャンプっていいものなんだなあ、と。そりゃまあ、キャンプ飯も旨そうだな、とは思いましたよ。思いましたとも。特に先生の焼きベーコンがシンプルに旨そうでダイレクトに腹にきましたよ。でも、そこもだけどそこでけじゃない、集まってキャンプ、というのにありそうなうぇーいwwwが無い、ある意味純粋なキャンプというのが、こういうものなのか、というのをですねえ、見た気がする訳ですよ。確かにこれなら、いい経験になるというのは分かるなあ、と。色々と大変だろうけど、色々と得難いものもある。成程なー。
さておき。
リンさんが結構皆とキャンプするのが楽しい、ってなっていたのが個人的に良かった点その2です。一人キャンプと複数人キャンプは別物、と言われていたそうですが、それを実感して、これはいい。ってなるリンさんのなんというか、有難いというものがあります。それが大変贅沢なものだというのだからか、それとも単にキマシタワー案件にもつながるからなのかは個人的には後者ですが、でもここで一人キャンプを否定しないのがまたいいですね。別物として、こっちもいい、ってなるのがいいです。どっちも並列出来るって、大事なことだと思うんですよ。極端に振れないしなやかさというか若さというか。こういう価値観で、常にいたいですね。
とかなんとか。