大体の内容「子供大好き、なのに……」。由比ヶ浜さんはぱっと見ギャル系で、表情も怖いところがある女子高生。でも、本当は子供好きで気立てのよい子なのです。ということでその由比ヶ浜さんが子供と触れ合っていこう、と頑張る漫画。それが『ももいろジャンキー』なのです。
この漫画の特徴、というと分かりやすいのはギャップ萌えの擬人化とまで言われる由比ヶ浜さんの存在、それ自体でしょう。基本的にギャル校っぽいところに通っていて、金髪。その上で偶に表情が恐ろしい、んだけど、その表情は緊張でそうなってしまうだけで、根本は大変いい子なのが、由比ヶ浜さんなのです。子供と相対する時にも顔が強張ってちょっと女の子がしてはいけないレベルのものになってしまいますが、本当は子供と一緒に遊びたい、というだけなのです。このギャップ萌え! 基本パターンながら、きっちりとした足腰を感じるものがあります。お話の方でも、いい子だなあ、と思わせる場面が沢山あり、怖い顔になってしまうのにも、理由が分かれば、頑張れ! と応援したくなるのです。この辺の匙加減がこの漫画の良さと言っても過言ではないでしょう。
子供大好き! な由比ヶ浜さんなので、当然子供と相対する場面は多々あります。その中でも、1話から登場して由比ヶ浜さんの良さを引き出してくれる茅ケ崎さん、その妹さんとのふれあいが心なごみます。妹さんが幼女ゆえ、いきなり踊りだしたり、抱き着いて息をブー! としたりとかなりフリーダムなムーブをしますが、由比ヶ浜さんの強面フェイスでも特に効果がないという強心臓の持ち主なので、由比ヶ浜さんと普通に接せる幼女として、メインと言えるくらい話に登場します。個人的には由比ヶ浜さんが熱でダウンして、の回の妹さんのおどりで励ますとことか大変良かったです。あくまで幼女であるので、病気の相手にするには、なだけど構わずやってあげる、という幼女ムーブらしさが素晴らしくありました。
さておき。
子供大好き! だけど怖がらせてしまうというので子供に近づけなかった由比ヶ浜さん。でも子供と触れ合いたい! ならば緊張しないように慣れないと! ということで、由比ヶ浜さんは同じ学校の葉山さんを相手に練習していたりします。
はい、地味に意味不明のワードでました。同じ学校の葉山さんを相手に練習、って相手も高校生じゃねえか! と思われるでしょう。しかし問題ありません。葉山さんは、将来5歳児になることを目標にしている子なのです。なので、小さい子供への慣れという行動にもってこい。
ってんなわけねーだろええ!? そういうツッコミが聞こえてきそうです。しかし、本当に葉山さんは5歳児になりたいのです。ちょっとした現実逃避、というのがこちらが思うところですが、実際の彼女を見ると、かなり真剣に5歳児になりたいというのが分かってきます。では何故? というのはこの巻では語られません。茅ケ崎さんの妹さんすら困惑させるガチっぷりですが、一体何が。ちゃんと話として出てくればいいんですが。
そういう暗黒面もありつつも、由比ヶ浜さんと、茅ケ崎さん達との交流を見ていくのが楽しい。それが『ももいろジャンキー』なのです。
