真田一輝 『ワインガールズ』2巻

ワインガールズ 2

ワインガールズ 2 (マイクロマガジン・コミックス)

感想 真田一輝 『ワインガールズ』1巻 - オタわむれ 日々是戯言也blog

 大体の内容「相も変わらずキャッキャウフフ!」。ワイン用ぶどう品種の分だけキャラが生まれるという、女子率超濃度擬人化漫画。それが『ワインガールズ』なのです。

 1巻の段階でもぶどう品種の分だけキャラクター出まくりんぐで誰が誰だか覚えるのが大変な漫画だった『ワインガールズ』ですが、2巻でもそのやり方は変わっておりません。流石に1巻ほどのキャラ乱舞ではない、と思ってよくよくキャラ紹介ページ見たら1巻とほぼ同じ数のキャラが出ていたことが発覚し、成程、訳分からなくなる訳だ。と妙な得心をしました。

 ですが、この漫画の非凡なところは、初手から香り立つキャラクターの濃い味付けと、うろ覚えであってもこの子はこういう子だから、というのを定期的にぶち込んでくることにより、大体しか把握してなくても全然読むのに支障がないという点です。大体先手を打ってこういうキャラだよと、あるいはそういうキャラじゃないのにどうしたの? というのを入れてきて、成程、大体分かった、とさせるのです。この辺のテクニカルさが、この漫画を多キャラ漫画なのに混乱なく読ませることに繋がっている、と言えるでしょう。

 さておき。

 この漫画の良さというのはやっぱり出る女の子が皆チャーミングですヨネ。と本国流法しかない!(ⓒ沙村広明『おひっこし』)状態に追い込んでくれるところでしょう。真田先生の漫画ではよくありますが、小粋なピロートークを、というかぶっちゃけ下ネタなんですけど、それを出しても厭味にならない、むしろ小笑い出来るポイントとして立ち上がってくるのが、大きなポイントとして挙げられます。この巻でも結構危険度の高いネタをぶっこんできたりするんですが、それがさっぱりと味わえる。この辺も流石だなあ、と。伊達にきららMAXで生育された訳じゃないのです。

 さておき。

 女の子のチャーミングさを上げているポイントに、仄かだったりガチだったりの百合要素があります。前にも書いた気もしますが、元々ワイン用ぶどう品種は混ぜて使う場合が多い、というので、ならカップリングじゃねえか!! という百合脳の発想を、実際に漫画として提供してくる真田先生の百合剛力は半端じゃないのです。個人的にはグリューナーさんとリースリングさんの関係が好きだったりします。武人系の後者の鈍感さと、ツンデレ気質の前者の不器用なアタックの組み合わせで、くっつくとかそういうの全く遠そうな辺りが大変ニヨニヨできます。それ以外でもソービニヨンさんとセミヨンの、セミヨンさんが徐々に変態チックになっていく百合感もいい。可愛い。この辺やはり、伊達できららMAXで百合時代の一翼を担っていた訳ではない、というのが当然理解されるべき点でしょう。

 で、好きな子は誰よ。というのには、わりとペコリーノちゃんが好きかもしれません。造形的にもですが、キャラクター的にも可愛い子には毒がある、というタイプで、基本当たりが優しいのに時折危険球投げてくるのが大変好みです。いいわあ、傍目から見るから安全に接せるタイプですね。可愛い。

 ということで、誰もが一瞬妄想するワインのカップリングを実際に形にした事によって生まれる、高濃度女の子百合可愛い百合漫画、それが『ワインガールズ』なのです。