感想 柊ゆたか 『新米姉妹のふたりごはん』5巻


新米姉妹のふたりごはん5 (電撃コミックスNEXT)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

大体の内容「あやりさんに新たな友達が出来ました!」「なぬっ!(平野耕太先生の崩した絵で)」。
姉さん、事件です! と高島弟顔になるくらいに大事件なのが、『新米姉妹のふたりごはん』5巻なのです。
さて。
あやりさんの新たな友達、篠田さんは動物好きの普通な子。そんな子が、基本的に表情が硬いというか硬度10! ダイヤモンドボディ! というレベルで近寄りがたいあやりさんと何故にお友達に? というのは誰もが思うことでしょう。
そのきっかけ自体は単純で、篠田さんとあやりさんが共に飼育委員になった、ということです。そこでなんだろうか、この子、と篠田さんが気になり始め、そしてお昼を一緒に、という段階であやりさんの味噌玉が決定打となり、あやりさん、いい子やん! となって親交を深める形になっていきます。
この何がいいかというと、あやりさんの良さを知る人が増えたことです。
あやりさん、サチさんが心配していた通りに基本学校ではボッチ。美人とはいえ表情の硬度が高いのも相まってかなりお高いイメージがついていたようです。ここに対して本人は特にどうとも思っていない、友達をつくろうと動く気配がない辺りが、今までのあやりさんのボッチ人生を容易く想像させます。それはそれは悲しいことですが、そこに対して、篠田さんがもしかしていい子なのでは? からこの子いいこだわ! ってなっていくのは、本当に尊いことなのです。あやりさんとサチさんの関係性とはまた違う、別種の尊さなのです。ああー、あやりさんの良さが分かる人が増えて本当に良かったー。そうなのよー、この子いい子なのよー。
さておき。
この巻での見どころの一つは、先述あやりさんと篠田さんの関係性ですが、もう一つ上げるとすれば、サチさんの人間性の振れ幅でしょう。
メロンパンの回でのかなりボケたノリでメロンパンを語る様から、篠田さんがお呼ばれしてきたところにお姉さん面全開にするピザの回の幅はかなりのものでした。ザ・別人です。それ以外でもちょっとした山菜取りに重武装で挑む回など、ボケっぷりのバリエーションも豊富。流石この漫画のもう一人の主役と言ったところです。
さておき。
それにしても、この漫画のサチさんとあやりさんの関係性の尊さは異常です。先にあやりさんと篠田さんとの関係性も尊いと書きましたが、やはり基本であるこの二人の関係性は際立っています。
それが明確なのは、篠田さんの話をするあやりさんに、サチさんがもやっとする、からのその解決でしょうか。サチさんがなんでもやっとしたのか、ということの解答に行きついた辺りは本当にもう無理……。最the高……。と謎の語彙になるくらいのレベルでした。あー、本当に尊いんじゃー。
と尊みながら、この項を閉じたいと思います。