感想 氷川へきる 『パンドラちゃんねる』1巻


パンドラちゃんねる(1) (電撃コミックスNEXT)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

大体の内容「目指すぜ有名ム―チューバ―! ……これで?」。ある倉庫で、その倉庫の物を紹介する動画を上げることになったパンドラさん。しかし、その倉庫のものは、この世のあらゆるミラクル物品で……。というのをいつもの氷川へきる味でノリノリにダラダラしてお送りする。それが『パンドラちゃんねる』なのです。
氷川へきる味、というのを皆様はどう解釈しておられるでしょうか。単純に曰く言い難いそれですが、個人的には先にも記述したように、ノリノリでダラダラ、ではないかと思っています。基本テンションはダラダラ、のっぺりとした雰囲気なのですが、ノリ自体は結構いい。テンションの振れ幅も広い。でもダラダラしているから、それが中和されて、しかし変な味わいになる。そういうものだと思っています。
その点においては『パンドラちゃんねる』も同じ轍の上を歩いています。しかし、いつもとアトモスフィアがおかしいのは、ユーチューバーネタ、この漫画ではム―チューバ―ですがそれはさておき、そのネタがいつもの氷川へきる味に倍点キャバーン! という加算点を加えている点にあります。
いつもの氷川へきる脇キャラ、言い換えれば訳の分からないものは、メインのキャラとは違うところ、でもちょっと近くで、だったのですが、この漫画だとそれが絶対に出会わない、完全にム―チューバ―の味付けのみに使われているのです。なのでいつも以上にその訳の分からなさに拍車がかかっており、それがゆえにこいつらが有名なのがナンデ!? 案件として立ち上がっているのです。でも、そこに理由はなく、そうだから。という面持ちで流してくるのです。特に海の生き物が動画配信しているシーチューブとか、その設定といい配信内容といい、完全に頭のねじが抜けたのがまた生えてきて、というのにまた抜けた。という、訳の分からないたとえをしないといけないくらい訳が分かりませんでした。でも、そこにしびれる、憧れる!
さておき。
基本抜けた話をするこの漫画ですが、だからこそ偶にシリアスめいた瞬間が挿入されるのは、みんな知っているね? この漫画もその点は抜かりありません。ミラクル物品を奪おうとする輩との攻防、みたいなのがあります。みたいなのというのは当然、そういうのあっさり解決するんだなあ、ってやるからです。攻に来たのにもっと強い攻で瞬殺。おお、これもまたまごうこと無き氷川へきる味! と喝采したのは言うまでもないでしょう。イエスだね!
そういう訳で、相変わらずの氷川へきる味全開。それが『パンドラちゃんねる』なのです。てか、2巻でますよねえ!? トワさんとか超好きなんですけど、色々なところがもう全部なんですけど!?
とかなんとか。