感想 邪武丸 『ありさデュエルバース』2巻


SHADOWVERSE ありさデュエルバース(2) (サイコミ)

大体の内容「桜井小宵里対相月かをり戦、決着! からの実質大将戦!!」。大将戦の方の決着は3巻でになりますので、とりあえず今回ビックな話題は実は割とガチで対戦がムネアツなところ。それが『ありさデュエルバース』の出来たおる部分なのです。
1巻での対戦の方は、大半がお膳立ての為とは言えお世辞にもまともにシャドバで対戦している訳ではありませんでした。しかし、このままおちゃらけ展開で進む訳はないな? どっかでマジになるな? という視点を常に持っていて良かった! というのが今回の巻でのバトルなのです。
先にも書きましたが、実質大将戦の羽宮亜里沙VS都住美里戦は試合半ばで次の巻、となっておりますので具体的な話は3巻感想に譲ることにします。ということで、1巻で始まって2巻で終わった試合、ヨリちゃんさん対かをりさん戦の総評をすることで、この感想とさせていただきたいと思います。
わりに変な入りで語りだしましたが、それはともかくこの漫画の時間軸だと、まだダークネスエボルブが出てない頃というのを鑑みても、ヨリちゃんさんのデッキ構成はチャレンジブルでしょう。
<ガーディアンゴーレム>中心のデッキというだけでも中々見ないのに、そこにあまり使えないカード、という意味合いで言われる所謂産廃カードの範疇、と今はされる<ミスリルゴーレム>をぶっこんでいるんですから。ちなみに<ミスリルゴーレム>は全体攻撃持ちですが、コストがかなり重いので中々有効に使える地点まで待たなければならない。そこまで耐えても基本ステータスは飛びぬけてではないし守護もない。でも、基本スペルで出すことになり攻撃を引き付ける能力の守護持ちである<ガーディアンゴーレム>主体なら、守りの面もカバーしつつスペルを打つたびに<ミスリルゴーレム>の全体攻撃の威力が上がるので、手札にミスゴが早くからあれば相性自体はいいんですよ。その点ちゃんと考えられたデッキです。その上振れな部分が、今回はきっちり回った感じでした。(試合後にかをりさんも回り過ぎ! ってプチ切れてましたしね)
でも、それをすぐに使えなかった、というのが今回のバトルのいい所。かをりさん側のフィニッシャー、<デュエリスト・モルディカイ>は破壊してもその場で復活するという、凶悪な性能の持ち主。破壊しか出来ない<ミスリルゴーレム>の能力では相性が悪いにもの程があります。しかも、そこに自分のユニットを破壊して再び場に出す、という<ウルズ>の能力が合わさって、倒されて出る<デュエリスト・モルディカイ>と<ウルズ>の効果で出る<デュエリスト・モルディカイ>の俺とお前でダブル<デュエリスト・モルディカイ>だな、はスタンダードパックの環境なら極悪過ぎるコンボです。その時のヨリちゃんさんの方の体力は9点ですから、普通ならサレンダーするなら今の内だぞ。の案件です。
が、そこに対してきっちりと対応策を持っていたヨリちゃんさん。モルディカイ一体は少し削ってから<錬金術の代償>、からの<変成の魔術>で<デュエリスト・モルディカイ>を二体とも消滅で倒す、モルディカイさんが復活出来るのは破壊の時であり消滅、では出来ないのです、というのがきっちりしております。ちゃんと進化権を使って二枚ドローから、というので更に出来ております。この辺の展開の考え、大変面白い。いいなあ。
で、そこから体力を削りきろう、とかをりさんが動くのもしっかりしています。その上で、相手に直接ダメージを与える能力の<カースドソルジャー>が出れば! という展開で一瞬ひやっとする辺り、素晴らしい。手札に来なかったですが、ここで可能性があった、というのは良かった。ちゃんと考えている、というのが分かった感じです。1巻終盤からその素地を見せてはいましたが、ちゃーんとしているやん! と言えましょう。
ということで、つらつらと試合の方の肝辺りを書いてみましたが、こうやってみると、やっぱりしっかりしているなあ、と。1巻のおちゃらけがちょっと勿体なかったのでは? まであります。これだけの出来るなら、もうちっと早くても! とか、贅沢なことを言って、この項を閉じたいと思います。