感想 邪武丸 『ありさデュエルバース』3巻


SHADOWVERSE ありさデュエルバース(3) (サイコミ)

大体の内容「亜里沙VS美里戦、決着! そしてそんな理由かよお前は! な一条沙織編へと」。今回の巻の二つの見どころ。それは大体の内容の二つであります。前者の熱い試合具合と、後者のある意味では「お前それは冗談で言っているのか」なとこが、『ありさデュエルバース』3巻の主の構成要素なのです。
早速前者から行きましょう。
亜里沙さんと美里さんの試合は、2巻収録範囲では序盤の盤面を亜里沙さんが制したものの、それもつかの間。あっという間に守りを崩され、追い詰められる形に。そのまくられ方に一時はリタイアを考えた亜里沙さんですが、ヨリちゃんさんの頑張りを思い出し、奮起! でも、その芽も潰されるか? な<ロイヤルセイバー・オーレリア>! からの3巻となります。
オーレリアはレジェンドレアのカード。当然性能は高く、突破しないと他の相手を叩けない守護持ちである上に、相手に、つまりこの場合は亜里沙さん側に、ユニットが展開されていると攻撃力は上がるわ選択して発動するタイプの効果は受けなくなるわで、基本的にユニットの高い打点でぶっ飛ばしたり、攻撃出来れば倒せる必殺持ちが少ないリーダーのエルフでは突破は骨が折れる相手です。その上、亜里沙さん側のフォロワーがコスト並で弱いフォロワーの<フェアリー>が多いのが丸わかりの展開。これでどうする? と思ったら手札参照系のダメージスペル<森の意思>! 手札が潤沢なら、届くか!? と思ったものの、選択ではなくランダムがゆえに、オーレリアはほぼ無傷! というので上がる展開をしてくれます。
しかし、ここから相手の守護をどう突破するのか? と思ってたらシャドバやる人なら一度は相まみえたか使ったかの<フロントガードジェネラル>、通称凌ぎ叔父さん、自身も守護持ちな上に、倒されてももう一体だけ守護持ちを出せる、というまさしく凌ぎ切ってみせよう! の様態を表す一枚が貼られるのであります。しかし、美里さんは相手の意気がそこで挫けないのを見て、ある種確信をします。通常の攻撃による打点なら、二体に一体の守護を貼っている現在では飛ばせるものはない。しかし、あれがあれば! というのであれが出るのです。手札参照系で且つ相手本体に直接届く、<白銀の矢>が!
ということで、手札満タンの状態で引けた<白銀の矢>。手札は、<白銀の矢>を使った時にまず一枚引くので、9枚。それがそのまま打点、つまり9点となり、そしてそれは丁度美里さんのリーダー本体の残り体力であり、ここに勝敗が決します。
この勝利、引けたから、という部分はありますが、それが引けるまでに手札を維持出来た、というのも一つ見るべきところです。それも、途中で引いてこれ使える!? だった攻撃力0の<ベルエンジェル>が勝敗に貢献しているのが大変いいのです。これ使える!? からこれ、使える! になっていく形の美しさです。守護持ちゆえに1ターン持たせたのと、破壊された時の効果で1ドローがきっちり効いての勝利。使える! が実践されたいい例でしょう。
ということで、中々の熱い試合でした。これがこのままのテンションでやってくれると嬉しいんですが。ですが。
前者の話が長くなりすぎましたが、後者の話は手短にしましょう。
1巻の頃から一人でやっている沙織さん。その行動の理由が今回明らかになりますが、その説明で行くとシャドバやっている仲間が別の強い所に引き抜かれたので、それを潰す! って話なのです。普通のスポーツ漫画でもここまでベタなの久しぶりに見ました。でも、これで仲間を集って倒す! と行かないで一人で潰す! となるのがデジタルゲームなところと言えるかもしれません。基本、一人で出来る、というのが悪い方に作用したと言える状況です。その状況は、亜里沙さん達が沙織さんを仲間に、というところで更に悪化します。私の下について、言うようにプレイしろ! ですよ。悪化以外の何が言えるかって感じです。色々拗らせすぎでしょう、沙織さん。それだけ、仲間との交流が強かったというのでしょうけれど、本質の部分もあるのかなあ、とか。色んな意味で一回頭温めないといけない案件かもしれません。そこで亜里沙さんとヨリちゃんさんがどう影響するのか。というか勝たないと手駒にされる未来なので、マジ勝っていただきたいですが、勝てないパターン出たらそれはそれで面白いんだよなあ。
とかなんとか。