感想 三家本礼 『アイアン・ゴーストの少女』2巻


アイアン・ゴーストの少女 2 (ビームコミックス)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

大体の内容「とりあえずなんとかなった!」。というか、なンで2巻終了なのよー! という怒涛の終わりっぷりを見せるのが『アイアン・ゴーストの少女』2巻なのです。
なんでこうなったのか。というのがサッパラパーなのですが、その辺の情報を追おうとすると闇が待っていそうなのでそこは攻めない、という判断をしつつ、内容について言及していきますが、一つの事件がきっちり収束しました。終わり。だけで終わらせてどうしようもないのでもうちょいと。
先生の傷を癒す、ということで敵方のブラックミルクと共闘する羽目になりますが、そこからの怒涛の裏切る裏切らないのアップダウンで最後は押し切ってくれます。この辺のやり取りとかは本当にそうなるだろうと思っていたけど本当にそうなるとは! という内容で、これでこの作品が終わらなければどうなっただろうか、と死んだ子の年の数を、みたいな気分でした。楽しかったんだけど、切ねえことなのでした。もうちょっと、こういう話を何度も見たかっというか。ある意味、ここで終わるからこそ出来た芸当でもあるんですが、そう言う引き出しをもっと見たかっというか。というか。というか。
さておき。
この漫画、2巻でいきなり頓死というアクロバットをしてしまったせいで、気になるところが残りまくって消化不良にも程があります。特に、ゴーストリッパー甘里ミオの信念が分からないままだったのが悔やまれます。作中でも<秘匿者(ハイダー)>、人のフリが出来るアイアン・ゴーストである京が言及していますが、甘里さんの動機はアイアン・ゴーストの駆逐、だけど自分もアイアン・ゴーストである訳です。無くしたいその力で戦っている、という、かなりアイデンティティの部分で微妙な綱渡りをしている。これがどうなるか、そしてこうなったのはどうしてか。その辺が大変知りたかったし、たぶんかなり面白いネタがそこにはあったと思うんですよ。1巻感想の時にも、品行方正な甘里さんが、何故こんな血生臭い世界にどっぷりとなのか。と気になっていて、今でも気になっているんですが、それが開陳されることは、最早敵わないのだろうなあ、と遠い目をしてしまいます。ああ、何故、何故。
という切なさを胸に、この項を閉じたいと思います。