感想 マクレーン 『怒りのロードショー』2巻


怒りのロードショー 2
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

大体の内容「映画ネタの入れ込み方の具合がドリーミーに!」。元々映画ネタ漫画ではありつつも、ガチの映画紹介という方向性は薄かったこの昨品。しかしてその実態は! という謎の言葉を出したくなるくらい、この方向性ならそれもありだな! なのが『怒りのロードショー』2巻の様態なのです。
ということで、『怒りのロードショー』2巻です。かなり映画ネタとのこの漫画の現実との混交が激しくなっております。10話、正しくはX話の段階で、村山がマグニートー化して他のがX-MENの人たち化していく辺りから、この漫画の現実感というのが極めてあやふやになっていきます。特にトトちゃんの悪夢回と、パンツァーフォー!回が現実味が薄くて混乱を招きます。偶にまともになるジェイソン回とかあるんですが、よりにもよってジェイソン回でまともになる辺りがこの漫画の軸線が移ってきている、というのが如実に表れているかと思います。
ですが、この漫画の良さが爆裂するのもそういう軸線がずれた辺りなのが、大変面映ゆいというか、変な琴線をガインガインかき鳴らされる感じです。トトちゃんの悪夢回は小学生の夢らしい感じ、シュワリズム宣言な点を除けばよおー! ですが、それ故に「わたし、残酷ですわよ」な面がでているかと思いました。どういう夢なのかは、いやいや申せませぬ。でも、らしい夢でありましたよ。
パンツァーフォー回は、この漫画で一番立場が危うい回です。現実なのか非現実なのかが全く判然としないからです。戦車が当然のよう出てきて、当然のように相手方戦車もあり、更に当たり前のようにトトちゃんも出てくる。更には運転が何故か出来るとあっては、これをどう受け取ればいいのか、という言葉すら出てきます。あるいは、メインの部分に『ガールズ&パンツァー 劇場版』があったから、ふんわりとしているそこに寄せた、という見方も可能ですが、それでもだいぶ惑乱しました。Aチームのネタの方もこの流れでされると、信用していいのかわからなくなってきてもう訳分からんのですよ! でも、好き。敵方が重要アイテムを、持って逃げたら追いかけられてしまう! という理由でそれを放置するのとか、最高です。意味を持たせる様、イエスだね!
さておき。
今回もトトちゃんさんは可愛かったですが、もう一人忘れちゃございませんかってんだ! という感じにナカトミお姉さん回もありました。これが大変エモーショナル。エモいというべきですがここはわざとらしく長ったらしくエモーショナルと言いたいです。ある意味ナカトミお姉さんと友人のポーさんの百合っぽいアトモスフィアなんですが、そうとも言い切れない部分もあり、でもそうとしか思えない所もあり、つまりどう判定していいのか余人にはおおよそ考えつかない領域です。でも、僕はあれは百合だと思うんだ。コンエアーってたりするけど。
さておき。
まとめ? そうねえ、映画ネタを内に取り込み過ぎてどっか行っている感じ、でいいじゃないの?
そうですね。