ネタバレ感想 邪武丸 『ありさデュエルバース』4巻

SHADOWVERSE ありさデュエルバース(4) (サイコミ)
SHADOWVERSE ありさデュエルバース(4) (サイコミ)

 大体の内容。「沙織戦、決着! ついでにお話の方も!」。ということで、4巻にてエンドとなってしまった『ありさデュエルバース』ですが、一応の決着はついた格好、ながらもうちょい読みたかったのも本音という感じで、つまり終わったの納得いかねー! という今更な気分に包まれております。
 その辺はどうでもいいので内容について感想していきますが、いやあ、沙織さん編がきっちり終わったのは特筆すべきでしょう、これは。沙織さんの変節についてはちゃんと語られますからね。復讐心の基点が示され、それがほどかれて、最終的に元鞘ではないにしても、一応の仲直りまで行ってたので、その面での思い残しというのは無いと言えます。ある意味では、この漫画がしなくてはならないことのひとつはきっちり片づけたと言えるでしょう。
 だが、しかし! まるで全然! この俺が終了を受け入れるには程遠いんだよねえ!
 というどっかの数字顔になるのはやむを得ないと思っていただきたい。そりゃあね、既に現実の方のカードパックは第12弾まで行っているというのに、作中ではまだ第2弾ダークネスエボルブですよ。出てくるデッキが既に考古学の世界に足を突っ込んでいる訳ですよ。んなデッキ既に誰も使ってねえよ! なので、どうしても現況との差がきつくなった現在において、この漫画が一つ区切りをつけて終わる、というのは理解可能なんです。
 だが、しかし! まるで全然! この俺が納得するには程遠いんだよねえ!
 理解はしますよ。理解はさあ! だがこの漫画の行く末を楽しみにしていた者としては、環境が現在と違い過ぎてくらいじゃあ、納得できねえんだよ! と、妙な猛り上がり方をしますが、しかしこの漫画の為に自分は何ができた? という方向に思考がいくと、サイトで見てなかった、というのが引け目として立ち上がってきます。だって、基本単行本派だったんだもの! ネット関係は閲覧数がものを言う世界、というのがまだ納得できないんだもの! だが、それ故に好きな漫画を後押しできなかったのでは、と思ってしまうからWeb版とは仲良くできそうにないです。でも、そうも言って入れれない時代なんだよなあ。
 全然関係ない話はさておき。
 現環境から見れば完全に考古学の世界ながら、バトルとして成立しないか、というと柴田てめえシャドバ舐めてんのか。とどっかの大同人物語顔になりますよ。バトルとしては大変見ごたえのあるものですからね。だから終わる以下略。
 今回の一戦目、沙織VS小宵里戦は3巻からの引き続きですが、同リーダー戦で小宵里さんを上回り続ける沙織さんかっけー! まである内容でした。それに対して食らいつく小宵里さんもしぶとく、しかし最後はパメラでガーディアンゴーレム二倍二倍にオリヴィエで完全な勝ち確に。ここまできっちり上回り描写する様にしびれます。
 今回の二戦目にしてこの漫画最終戦、沙織VS亜梨沙戦は上回りを更に上回る様できっちり熱くしてくれてこんちこれまた。何せ、その熱で沙織さんの復讐心がほどかれていくのですから、熱くならない訳がない。この辺の、負けそうになっても折れず、弛まず押していくムーブを見ていると、なんだか自分が忘れていた何かをそこに、沙織さんみたいに見てしまうものがあります。いいなあ、これ……。
 ちなみに、カードの動きで間違っているところは全く無い、と思っていただこう! というくらいにしっかりした内容なのも、やはりこの漫画の非凡さだったかと思います。ディスティニードローめいたのは一切ない! いやあったかも。特に二戦目は亜里沙さんの手札は見えませんでしたし。でも、納得は出来るから、やっぱりしっかりした足腰って大事。そう思いました。
 という訳で、最終巻だった訳ですが、終わり方もきっちりしておりまして、俺たちの戦いはこれからだ! エンドながら理解はできる格好です。納得とは別だがな! というのはさておいて、短い間でしたが面白い作品、ありがとうございました! と書いて、この項を閉じたいと思います。